アフガニスタン復興NGO東京会議
分野別分科会アピール
(和文要約)
[E]紛争予防・平和構築

 〈1〉現状
   過去20年間にわたる紛争、2001年の米軍による攻撃をへたアフガニスタンは国家再建に取り組もうとしている。貧困撲滅、開発、紛争再発予防など、紛争予防の考え方は復興期のアフガニスタンのあらゆるレベルで必要である。紛争予防はまた地域のニーズにもとづいて実施されるべきである。
 〈2〉NGOの活動とニーズ(当分科会参加アフガンNGOへの質問と回答)
  (01)なぜ実施しているプログラムが紛争予防に貢献するのか?
  • 米軍のアフガニスタン攻撃以降、地雷除去活動はほぼ停止している。地雷除去を行うNGOの多くが政治的混乱のなかで盗難などの被害にあった。
  • 物理的、構造的、文化的暴力の抑制が平和な社会の構築につながる
  • 雇用創出と機会提供が平和構築に貢献する
  • あらゆる事柄に関連する人権の問題を解決することは平和構築につながる
  • プログラム調整と情報提供が紛争予防を促進する

(02)プログラム実施の方法は?
  • コミュニティを基盤としたプログラム(平和構築のためのグループ結成、ワークショップ開催など)
  • セミナー、会議開催
  • 技術指導、雇用創出、組合設立、灌漑施設設立
  • アドボカシー
  • プログラム間の調整、政策提言

(03)日本に期待することは?
  • 専門家の派遣や資金援助(あくまでも対等な立場で)。政治的な支援も必要。

(04)プログラム実施にともなう困難
  • 長期的な計画と限られたリソースの有効活用
  • 基本的な治安確保
  • 人材、資材の欠如

(05)プログラムの評価方法
  • 関係者との協議による参与型評価。長期的な視点にたつ評価が必要。

(06)プログラムの優先順位
  • CPAU(平和教育、コミュニティレベルの平和構築、平和構築のためのグループ結成、ワークショップとセミナー開催、アフガンNGOおよび国際NGOの人材育成)
  • ADA(緊急支援、技術トレーニング、灌漑施設復旧、セクター横断的なプログラム)
  • CCA(アドボカシー、意識向上、紛争の影響調査)
  • ACBAR(平和プログラムのサポート、雇用機会提供、意識向上)

 〈3〉提言
  (01)女性の政治・経済・社会参画による民主化を通じた紛争予防の促進。ただし文化的背景に配慮した適切な方法によってなされるべきである。
(02)地域社会制度としてのシューラの尊重と活用
(03)3つの分野(政治、構造、社会)における平和構築活動の統合
(04)紛争に巻き込まれる危険にある人びとへの教育と意識向上
(05)紛争による心理的トラウマに対するケア
(06)帰国民との摩擦解消と円滑な社会への統合
(07)軍人・民兵の国軍・警察隊への転身、または職業訓練による社会復帰促進。治安要員教育に対する日本の技術協力を求む。
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