■調査結果■
評価・提言受領した作物種子4種の播種日と播種量

 7.評価・提言
   本事業は、JPFが外務省を通して1.2億円の資金を投入し、WVZと「ザ」国で活動実績のあるAAR及びWVJが共同体制のもとに実施している。その内容は、昨年一昨年と2年連続して起こった異常気象(特に昨年起こった旱魃)の影響により資材(種子と肥料)を失った小規模農民(受益者)に対して、今年の栽培シーズン用の資材を11月から始まる雨季の開始までに「ザ」国内で調達し配布するというものである。その目的は、受益者が配布資材を使用して栽培を再開して、食糧確保や来シーズン用の資材購入するなど、従来の農業サイクルへの復興を図るものである。
 評価としては、一部の資材の調達配布が遅延していることを除けば、資材の紛失や間違った資材の調達等もなく、実際に受益者へ配布されていることが確認できたことから、概ね良好に進行しているといえる。 資材の調達配布が遅延していることに関しては、「[6-2]受益者所有農地視察」で報告しているが、日本からの援助資金送金の到着が遅れたことを除けば、「ザ」国の国内事情に起因するところが大きいといえる。それは「ザ」国に限らず市場経済化が発展途上の国々にも該当するが、資材や物資の国内調達が必ずしも計画どおりに進行しないのが一般的である。また流通運搬に関しても、インフラ面(道路、通信等)が未整備であり、約束された期間内での運搬は困難なものとなる。
 また運搬数量の間違い、配布計画数量の間違いや訓練不足等の報告もあったが、こういった内部事情は、あらゆる事業を実施する上で発生するものであり、現在は至急なる調整と改善を実施し対応している。
 今シーズンは10月下旬に最初の降雨があったあと、調査団が「ザ」国を発つ11月24日まで降雨がない状況であったが、従来「ザ」国では11月から雨季が始まる。従って、10月中には資材の配布を完了させるのが最善であると思われる。本事業は緊急援助であることから、来年も継続して実施されるとは限らない。もし、 「ザ」国もしくは他国で同様な事業を実施する場合は、今回の教訓を生かして、事業を開始する時期を早めるなど、期間内での調達配布の完了を目指すことが重要であろう。
   なお、調査団の私見としては、本事業の効果を評価するという意味では、収穫後のモニタリング調査を実施することが重要と考える。そこで、効率良く制度の高い調査とするために、少なくとも以下の項目について受益者からの情報を入手する必要があろう。情報は、本事業の対象受益者18,000世帯全てから入手するのではなく、各地区に点在する最終配布ポイントの責任者から最低10名の受益者を選出してもらい、アンケートをとるという方法等が考えられる。入手した情報は、調査団が「ザ」国を訪問する前に日本へ送付しておくことが重要となる。送付された情報は、日本での分析が可能となり「ザ」国訪問時の調査項目内容が明らかにできるからである。参考にして頂きたい。
[写真左:ザンビアの農村地域にて]
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受領した作物種子4種の播種日と播種量
  (1)所有農地面積及び耕作地面積
 各世帯の所有農地面積は0.5ha 〜24haと格差があり、平均農地面積は5.5haであった。また、実際に耕作している面積は0.25ha 〜8haで、平均耕作地面積は約3haであった。これは「ザ」国の小規模農家の標準耕作地面積(5ha未満)の範囲内にあたる。メイズの作付面積は、大雨による洪水被害のあった2000-2001年のシーズンが平均1.4haで、旱魃の被害を受けた2001-2002年のシーズンが平均1.3haであったが、普段の年は平均2.6haであることから、2年連続した異常気象の影響により、種子と肥料の調達が困難なものとなり、作付面積を縮小せざるを得なかったことが窺われる。
  [1]受領した肥料2種の施肥時期と施肥量
[2]収穫実施期間
[3]収穫量(収穫がなかった場合はその理由)
[4]その他問題点
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