国際協力 NGO ジャパン・プラットフォーム(JPF)| Japan Platform

紛争や災害時の緊急・人道支援を行うNGO組織 ジャパン・プラットフォーム

JPFで働く人

地域事業部 斎藤真樹

熊本地震被災者支援で現地の支援団体と打ち合わせ(左が斎藤)©JPF

2014年の6月にJPF入職。以前は民間企業に事務職として勤務。震災から2年間、何もできない日が続いていたが、2013年にボランティアで東北に通い始める。もっと支援に自分の時間を使いたい、支援する人の支援もしたいとの思いが募り、JPFへの転職を決めた。東日本大震災被災者支援や熊本被災者支援を担当。

◎JPFへの道
「自分の時間をもっと支援に、支援する人にも支援が必要」の思いからJPFへ

“揺れた”じゃないですか。2011年3月11日です。震災に関わる何かをしたいと思ったのですが、どうしていいかわからなくて。2年が過ぎた頃から月1回ずつ有給休暇を取り、被災地へボランティアに通い始めました。主に仮設住宅で被災者の方のお話を聞く活動でした。でも、実は私、人の話を聞くのがもともと苦手で。その上、みなさん抱えてるものが大きすぎることを垣間見ることがありました。だから、“そうですね”と簡単に相槌もしづらいし。必死に走って津波から避難した小学生が、突然そのときのことを一気に話し始めたときは、切迫した緊張感が伝わってきて、自分自身が耐えられなくなることもありました。でも、なぜかまた行きたくなった。もともとはボランティアとかするタイプではなかったのですが、なんででしょうかね。揺れた時、私の心の中の何かも揺さぶられたようなんです。

ボランティアでは地道で泥臭いこともいっぱいやったんですよ。例えば、津波で畑に運び込まれた石やごみの中には、機械では取り除けないものがあるので、みんなで並んで一つずつ取りました。そのうち、もっと自分の時間を支援に使いたいと思うようになりました。ボランティアだと、例えば仮設住宅にうかがうのは1日のうちわずかな時間だけ。当然ですが実際はその前後の時間が長いんです。「その時だけ」ではない形で関わりたいと思いました。自分の多くの時間を支援に、つまり仕事として支援に関わりたいと思い始めました。そんな中で、支援に関わる人のご苦労も目の当たりにし、そういう方々を支援する必要もあるのではと思いました。

そうすると必然的に仕事を探すことになったのですが、“仮設で話を聞く”しか関わる手段がわからなかったんですよ。自分は “現場向きじゃないな”とも思っていましたしね。そんな時、たまたまジャパン・プラットフォーム(JPF)の求人を見つけました。“助成って何?”から調べて(笑)。最初はNGO/NPOのことを含め何も知りませんでした。

福島支援について発表する齋藤(右)福島支援について発表する齋藤(右)©JPF

◎私のミッション
現場に足を運ぶ“聞き出し役”

2014年に入職してすぐ、東日本大震災で被災した方を支援する団体に助成するJPFの「共に生きる」ファンドの事務局を担当しました。業務としてはまず支援団体からの事業申請を受け付け、そのニーズや実施が可能かなどを審査し、契約するまでが第1段階。事業が始まり、実施してもらいながら現場に対応するのが第2段階。そして、事業終了後にどのように事業が終了したか、会計報告の確認を行う第3段階。現在は福島に関わる事業を募集していて、その都度3段階の流れに沿って進めています。

もっぱらデスクワークのように聞こえるかもしれませんが、実はこの仕事では現場に足を運ぶことが大切です。申請団体は被災者自身が立ち上げたものも多く、被災しながら支援活動をされています。申請書を作成するにはサポートが必要なこともありますし、案件の中には漠然とした内容のものも少なくありません。そんな時は、応募団体を直接訪問し、計画を聞きに行きます。全体の活動を聞き、且つ、ご計画の活動について詳しくヒアリングし、団体の方が書類を作成できるようサポートしていきます。これは「案件相談」という活動で、まずは相手の活動をきちんと理解することが肝心だと思っています。計画が詰まりきっていないときは、全体の活動について一緒にブレストしながら、JPFでお手伝いできるところはどこかを手さぐりで探しながら、“その部分を申請してみませんか?”と焦点を絞っていく。“じゃあここにしようかな”と納得して応募してもらえるように、“聞き出して共に考える”のが私の役目です。人の話を聞くのは今も苦手だけど、はっきりした目的があれば違います(笑)。

無事に審査が通って契約し、事業が始まった後も気は抜けません。JPFの職員とも相談・協力しながら現場のリクエストに合わせてよりよく実施できるようにサポートしていきます。「モニタリング」という現地視察もその一つですね。

助成団体の「いわき放射能市民測定室たらちね」を視察。右から二人目が斎藤助成団体の「いわき放射能市民測定室たらちね」を視察。右から二人目が斎藤©JPF

◎これからのこと
ニーズを把握しながら、よりよい支援を模索

仕事で関わるのとボランティアでは大きく違いますね。例えば、仮設住宅でボランティアしていた頃は、「こんなところを子どもたちが走り回って危ないな」と思うこともありました。でもJPFに入ってから、子どもが安心して遊べる場所の作り方を学び、経験を積んだ人たちが、被災地ごとに合った遊び場を作っていると知ったんです。ここにはプロがいるんです。

また、JPFも被災者や支援者だけでなく、専門家などからも話を聞き、ニーズを調査しているんですよ。それに合わせて現地の状況や刻々と変化するフェーズを把握して、「今、本当に必要な支援は何か」を検討していくのです。そして、その評価・検証も行っています。

仕事をする中では、常に福島の深刻さと難しさが頭にありますね。福島は原発事故による被災が深刻で、自然災害における支援を当てはめてももどかしい思いを感じます。健康被害も気になります。健康被害は、身体だけでなく心にも影響が及ぶんですよ。いまだに事故前に住んでいた土地を離れ避難生活を続けている方々のことも心に引っかかります。「根本的な救済につながる解決に私たちは関われるのだろうか?」といつも思います。答えは出ないかもしれません。でも、今の立場で「やれることをやれる限りやろう」と思っています。