アフガニスタン復興NGO東京会議
分野別分科会アピール
(和文要約)
[D]地雷対策

 〈1〉現状
   過去20年間の紛争中に、アフガニスタン全土に地雷が敷設され、不発弾が残され、多くの人びとが被害にあっている。1989年より国連人道支援調整局(UNOCHA)の支援のもとに地雷対策が行われてきた。しかし、近年北部同盟の軍事攻勢に地雷が使用されたことにより、問題はさらに深刻化した。地雷不発弾は人命を奪うのみならず、重要な施設へ近づくことや、難民への人道支援物資輸送を妨害するなど、その負の影響力は甚大である。
 現在知られているだけでも7億2,300万平方メートルの土地に地雷が埋められているという。毎年1,200〜1,400万平方メートルの土地が新たに地雷敷設危険地域に指定されている。アフガン人が日常生活を安心して営むためには3億4,400万平方メートルの地雷除去優先地域の地雷が取り除かれる必要があるが、それには7〜10年の歳月が必要とされる。
 〈2〉提言
  (01)地雷除去活動再開のための資金の早期確保
  • 米軍のアフガニスタン攻撃以降、地雷除去活動はほぼ停止している。地雷除去を行うNGOの多くが政治的混乱のなかで盗難などの被害にあった。
  • 暫定政権はアフガニスタン全土における治安の確保を優先すべき。
  • 地雷の危険性はあらゆる復興活動を妨害する。地雷除去活動のための資金は早期に確保されるべきである。除去作業を9月11日以前のレベルにまで回復するためには1700万ドルが必要であると見積もられている。

(02)新型爆弾の影響についての緊急調査
  • 北部同盟が敷設した爆弾の10-13パーセントが技術的な理由により爆発していない。また大量の武器弾薬が各地に運ばれたとみられている。
  • 不発弾と新型爆弾の状況をアフガニスタン全土で調査する必要がある。
  • 北部同盟に新型爆弾の情報提供を求む。

(03)長期的な事業継続を保証する財源の確保
  • 今日地雷除去プログラムは一年間ごとの資金援助を受けている。しかし、効果的な活動を行うためには3〜5年間継続的に資金援助を受ける枠組みが相応しい。地雷対策の長期的なプログラムを可能にする国家計画およびドナー諸機関の計画立案を提案する。

(04)地雷の社会・経済的影響についての全国的調査
  • 現在敷設されている土地、新たに敷設が発見された土地、敷設の可能性が指摘されている土地(北部でおよそ1億平方メートルの土地に地雷および不発弾が埋蔵されている可能性がある)に対する包括的な調査が必要である。
  • これまで欠如してきたコミュニティに対する影響を調査する必要がある。これらの調査には220万ドルが必要である。

(05)地雷禁止への取り組み
  • 暫定政権がオタワ地雷禁止条約に参加するなど、地雷完全禁止を主導することを提言する。暫定政権およびその後の政権は、地雷除去を全面的に支援するべきである。

(06)開発計画の一環としての地雷除去計画
  • 地雷除去計画を復興・開発計画の一環として位置づけるなど、新しいアプローチが求められる。

(07)地雷犠牲者および負傷者への支援
  • 犠牲者に関する包括的なデータ収集を行う必要がある。

※付録(省略)
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