■ジャパン・プラットフォーム■
―国際緊急援助におけるNGO、経済界、政府の新たな協力システム―

 現在、50カ国以上で地域紛争が多発しており、世界人口の115人にひとりが難民国内避難民として国際的な支援を必要としているといわれています。また、世界各地で続発する自然災害によっても多くの人々が犠牲となっています。各国政府、国際機関、国際NGOにとって、これら被災者に対する国際緊急援助の強化と質の向上が最優先事項となっています。
 このような世界情勢に応え、NGO、経済界、政府が対等なパートナーシップの下、三者一体となり、それぞれの特性・資源を生かし協力・連携して、難民発生時・自然災害時の緊急援助をより効率的かつ迅速に行うためのシステムが、国際人道支援機関「ジャパン・プラットフォーム」です。
 この「プラットフォーム(土台)」には、政府の資金拠出による基金及び企業・市民からの寄付を募ることによって、緊急援助実施時、初動活動資金がNGOに直接かつ迅速に提供されるため、NGOは直ちに現地に出動、援助活動を開始できるようになります。
 また、プラットフォームの公共性、アカウンタビリティーを高めるため、メディア、民間財団、学識経験者らの参加・協力も呼びかけ、関係アクターが一体となり国際緊急援助に取り組むシステムの構築を目指します。21世紀にむけて日本の「シビル・ソサエティ(市民社会)」の発展を促進する具体的な試みです。
ジャパン・プラットフォームのしくみ
ジャパン・プラットフォームのしくみ
 南部アフリカはここ数年旱魃に苦しみ、食糧不足が深刻化している。2002年秋、プラットフオーム評議会は間近に迫った種まきの季節を控え、ザンビアにおける食糧生産のための種子の提供と関連する技術指導のプロジェクト2件を決定した。難民を助ける会(AAR)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)の2チームが地域を分けてこのプロジェクトに取り組んでいる。
 JPFはこれまでにインド西部地震(00年)とアフガン人道危機支援(01〜01年)に続く出動であった。このザンビアのケースはいわゆる「緊急」の中でもややスローに迫り来る被害であり、JPFとしても初めての取組みとなった。「雨の降ることを待つだけでなく、旱魃に強い作物の種子を並行して用意すべき」「農業指導の専門家を活用すべき」といった内容に踏み込んだ議論も交わされた後決定に至った。
 最近の報告では、幸い現地ではある程度の降雨があり、収穫も始まっているとのことである。WVJAARは十分に経験を持っているが、JPFとしてはアフリカにおける初めてのプロジェクトでもあり、食糧確保のプロジェクトも初めて手がけることになった。今後、世界各地において人道支援のニーズが多様な形で発生してくることが予想されるだけに、JPFとしても問題に対応する能力を養っていくことは極めて重要である。
 2002年8−9月には「ヨハネスブルグ・サミット2002(持続可能な開発に関する世界サミット)」が南アフリカにおいて開催された。そこでも地球温暖化と異常気象も重要なテーマであったが、地球環境の劇的な変化は食糧生産に対して深刻な影響をもたらすことが心配されている。JPFとしてもこの分野には今後とも積極的に取り組んでいく必要がある。
ジャパン・プラットフォーム事務局長
黒川 千万喜

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