ミャンマー人道危機2021 -2月1日から1年 ミャンマーの今とこれからのための支援を-

2021年2月以降の
ミャンマー情勢の悪化から1年。
ミャンマー国内では、
いまだ国軍と武装勢力の戦闘が止まず、
不安定な情勢が続いています。
そうした中、避難生活を送る人々や、
政情不安によって、
更に困難な状況に陥ってしまった子ども、
女性・妊婦、高齢者、障がい者などへの
緊急支援が必要とされています。

  • 支援を必要とする 支援を必要とする
    子ども
    500万人
  • 支援を必要とする女性 支援を必要とする
    女性
    490万人
  • 支援を必要とする高齢者 支援を必要とする
    高齢者
    120万人
  • 支援を必要とする障がい者 支援を必要とする
    障がい者
    190万人

※OCHA:Myanmar Humanitarian Needs Overview 2022

現在、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援プログラム「ミャンマー人道危機2021」では、加盟NGOがミャンマー各地やタイでの人道支援に取り組んでいます。各NGOの支援現場からのレポートを通じて、ミャンマーの人々の置かれた状況、今、どのような支援が必要とされているのか、そして、ご寄付がどのように活用されているのかをご理解いただき、情勢の混乱から1年となる今こそ、私たちの人道支援にご協力いただけましたら幸いです。皆さまとともに、困難な状況にあるミャンマーの人々に支援を届けたいと、心から願っています。

寄付をする

ご寄付の活用例

5,000円で出産キット1点

5,000円で出産キット1点(医療用手袋、石鹸、アルコール脱脂綿、おむつ、毛布など)の支援が可能となります。

15,000円で5人家族の約30日分の食糧

15,000円で5人家族の約30日分の食糧(米、食用油、インスタント食品、野菜など)の支援が可能となります。

現地レポート

安全な出産のための支援(2021年11月~)

社会的混乱の影響は医療機関にも

ミャンマーでは、新型コロナウイルス感染症拡大と経済活動の衰退により、多くの人々が失業や休業などの影響を受けてきましたが、昨年2月の政変と社会の混乱によりさらに生活は困窮し、必要な生活用品や食糧が確保できない世帯が急増しています。また、医療従事者を含む多くの市民が市民的不服従運動に参加し、国軍による医療従事者や医療ボランティアへの攻撃も発生したことから、病院やクリニックで安全な出産に必要な支援を受けられない妊婦が多くいます。

赤ちゃんとお母さんの命を守るために

安全な出産のための支援(2021年11月~)

私たちは郊外に暮らす貧困世帯や、赤ちゃんとお母さんの命を守るため、食糧や出産支援キットなどを配付しています。ある妊婦さんは3人家族で、移民労働者として地方から現在の居住地へ移住し、場所を間借りして生活しています。家族全員が昨年7月頃大流行した新型コロナウイルスに感染してしまい、特に高齢の母親は、他の持病もあるため、薬代などの医療費が家計の大きな負担となっています。夫の収入は、せいぜい1日3,000チャット(日本円で約190円)ほどで、生活を支えるのにはまったく十分ではありません。このような状況下、出産を控えている彼女にとって、「安全な出産のための支援キットの配付は非常に嬉しかった」と話してくれました。

安全に配慮して支援を継続

安全な出産のための支援(2021年11月~)

現地では夜間外出禁止が発令されており、緊急支援活動には、検問や取り締まり、様々な移動制限や困難も伴います。現地の提携団体を通じ、また地域住民ボランティアの協力を得て、安全に細心の注意を払って着実に物資を届けていますが、支援を必要とする人々は後を絶ちません。
私たちはミャンマーの人々へ必要な支援を届けるため、現地での活動を続けていきます。皆さまの温かいご協力をお願いいたします。

※ミャンマー人道危機2021では、安全管理上、活動団体名と事業地を記載しておりません。

寄付をする
障がい者や貧困世帯への支援(2021年10月~)

緊迫した状態の続くミャンマー情勢

ミャンマーが非常事態に陥って2月1日で1年が経ちますが、政治・社会の混乱は収まる兆しを見せません。2021年9月以降、国軍に対抗する政府である国民統一政府(NUG)の呼びかけを受けた国民防衛隊と国軍との衝突が続き、最大都市ヤンゴンでは週に10件ほど爆発や銃撃などが生じています。また、地方では国軍と民族武装勢力、国民防衛隊の衝突が激しさを増し、村を追われた多くの人々が国内避難民となっています。地雷や爆発物による事故も増加しており、人々は不安と恐怖の中で暮らしています。一般市民の犠牲者は1,300人余り(1月下旬時点)に上り、政情不安に新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかける形で、人々を追い詰めています。

これからの支援活動

障がい者や貧困世帯への支援(2021年10月~)そのような状況を受け、私たちはミャンマー国内の障がい者や貧困世帯など、より弱い立場にいる方々に対して現金給付や、心理ストレスを少しでも軽減するための傾聴活動の支援を実施していきます、支援のための調整を現地協力団体とともに進め、電話での聞き取り調査なども行いながら、支援の対象者を選定しました。2月以降に現金給付を開始する予定です。

現地の人々の声

障がい者や貧困世帯への支援(2021年10月~)「新型コロナおよび情勢悪化の影響でそれまでの仕事がなくなってしまい、生計を立てるのが困難。障がいによって薬や医療費も必要なので、苦しい生活をしている」
「失業してしまい食料や薬品を買うお金がなく困っている。物価も高騰しているため、早く支援が開始されることを祈っている。」
「生活が特に困窮している障がい者に対してこのような事業を計画してくれているだけでも非常にありがたい。」
など、切実な訴えや感謝の言葉が多数寄せられています。

現地スタッフの想い

また、ミャンマー人の現地スタッフは、「多くの受益者が生活に困窮しており、早急に支援を開始する必要があります。早く支援を開始してほしいとの声が直接寄せられており、受益者と職員の安全を最優先にしながら、確実に支援を届けたい。」と話しています。調査により苦しい状況の方が本当に多いことが分かり、予想以上のニーズの多さに驚きました。しかし支援リソースが限られているため、支援対象になるべき方々全員に支援することはできず、心苦しい想いがあります。それでも、支援活動に対して、「ありがとう」と感謝の言葉をもらったり、中には「自分はなんとか生活できているので、他の方を優先してあげてほしい」と、苦しい状況でも他者を思い遣るミャンマーの方々の声があり、身が引き締まる想いです。

誰一人取り残さない支援を

障がい者や貧困世帯への支援(2021年10月~)安全上の懸念や軍政下における制限などで、思うような活動ができないもどかしさはありますが、追い詰められた人々への支援を途切れさせないこと、少しでも希望の明かりを灯し続けることが、現地で長年活動してきた私たちの責務であると感じています。苦境に置かれたミャンマーの人々、特に障がい者や貧困世帯への支援はまだまだ足りていません。

どうか緊急支援にご協力くださいますよう、心よりお願い申し上げます。

※ミャンマー人道危機2021では、安全管理上、活動団体名と事業地を記載しておりません。

寄付をする
タイ・ミャンマーの国境付近での支援活動(2021年11月~)

国境周辺の状況

タイ・ミャンマー国境周辺の治安状況は悪化の一途を辿っています。日々実施される空爆や銃撃戦によって多くの人々が住む場所を追われ、タイや国境周辺に逃れています。国境と戦闘に挟まれ行き場を失った人々は銃弾や砲弾が降り注ぐ中、身を隠しながら生活する状況が続いています。ある避難民は、「国境沿いの川を避難しているとき、砲弾が頭上を通過し、シュルシュルシュルと物凄い音がして、直後にものすごい衝撃とともに爆音がした。ここで私の人生は終わったと思った」と話してくれました。国境はまさに生死の境界線となっており、逃げ惑う避難民とミャンマー国軍と武装勢力の激しい戦闘で大きな混乱に陥っています。

避難生活を送る人々への支援

タイ・ミャンマーの国境付近での支援活動(2021年11月~)支援活動では、タイ・ミャンマー国境付近(タイ側)を拠点として、ミャンマー側にいる国内避難民に食料を送り届けています。また、タイ政府、UN、国際NGOと協力して、タイ側に逃れてきた人々に対しても緊急的に必要な飲料水や毛布等の配布支援を実施しています。避難民の中には子どもも多く、長引く避難生活で大きな精神的ストレスを抱えています。こうした子どもたちが、少しでも笑顔になれるように、1月8日のタイの「子どもの日」に合わせて、絵本の朗読会、お菓子や果物の配布を行いました。

人道危機の悪化を防ぐ

タイ・ミャンマーの国境付近での支援活動(2021年11月~)厳しく管理されたタイ側の避難生活では、勉強はもちろんのこと、外出や外部との接触は一切遮断されています。ミャンマー側に帰ることもできず、多くの人々は戦闘が終わることを祈りながら、タイ側で厳しい避難生活を送っています。一方、ミャンマー側では、今も多くの命が奪われ続けています。戦闘地域は日に日に拡大しており、刻一刻と近づく爆音や銃撃から逃れる避難民が増加する中、人道危機の悪化を防ぐためにも、引き続き、関係機関と連携した支援活動に尽力していきます。

※ミャンマー人道危機2021では、安全管理上、活動団体名と事業地を記載しておりません。

寄付をする

関連情報

15,000円で5人家族の約30日分の食糧

15,000円で5人家族の約30日分の食糧(米、食用油、
インスタント食品、野菜など)の支援が可能となります。

寄付をする