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CONTENTS

目次

第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

実施項目一覧

▼添付資料一覧
第1回ワークショップ概要
第1回ワークショップ議事録
NGOヒアリング内容議事録
     JEN
     AAR Japan
     WVJ
     NICCO、JAFS、JIRD
第2回ワークショップ概要
第2回ワークショップ議事録
ステークホルダー・ヒアリング内容議事録

調査報告書

戦略的アカウンタビリティのフレームワークを用いての
アカウンタビリティ・システムの構築を目指して
−ジャパン・プラットフォームの事例−

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NGOヒアリング結果(JEN)

■ ヒアリング概要

日 時:2006年2月23日(金) 11:00〜12:00
場 所:JEN東京事務所
参加者:浅川(JEN)、渡辺(JEN)、谷口(JPF)、金の計4名

■ 略称

外務省=外、経済界=経、学識界=学、民間財団=民、地方自治体=地、学生ネットワーク=生、UN・国際機関=国、メディア=メ

■ ヒアリング結果

  1. JPFのアカウンタビリティに対する理想イメージ
    <JPFを通したステークホルダーとのつながりの現状>
    JPF誕生時の構想から外務省、経済界、NGOの関係強化が重視されていたが、他機関とはステークホルダーとして関係性がまだ十分に確立されていないと考える。
    外:
    最大のドナー。納税者に対する報告義務も必要と考える。
    経:
    外務省の次に大きいドナー。JPFがとりまとめた資金の提供を受ける時は、個別にどの企業が寄付を行ったか把握していない。JPF評議会に参加している企業担当者とはつながりがあり、彼らを通して企業とのつながりを深めることができた例もある。
    学:
    JPF評議会メンバーである大阪大学の中村教授のみつながりがある。中村教授個人への報告が学識界に波及しているかどうかは不明。
    民:
    JPF発足当時に起こったモンゴル大寒波の際に、調査費の助成を受けたこと以外につながりはない。
    地:
    JPFが新潟県長岡市よりタオルなどの物資寄贈を受け、他団体が配布したことがあると思うが、JENはつながりがない。
    生:
    当初はJPF評議会に参加している学生とのつながりのみだったが、その後、JPFを通じてJENにボランティア参加した学生が数人いる。
    国:
    JPFを通じた協働はほとんどない。今後はJPFを通じてNGO活動の情報を発信し、国連とJPFが資金をマッチングして支援を行えるような機会が促進されるとよい。
    メ:
    現状のメディア懇談会では、NGO側が情報を提供することのみに終始している。ただし、パキスタン地震の際に、JPF資金を使った支援のプレスリリースを出したところ、メディアからの問い合わせがあり、今後もメディアとの関係を深めることによる効果は高いと考える。また、パキスタンとフィリピンでは明らかにメディアによる露出度に差があり(フィリピンのほうが個別NGOの情報掲載度合いが大きい)、このような傾向を分析し、今後のJPFメディア活動の策定に役立てるのも有意義だと考える。
    <アカウンタビリティの理想イメージ>
     現状のJPFアカウンタビリティでは、計画と結果の整合性に重点が置かれているため、緊急支援の混沌とした現状とニーズに柔軟にかつ的確に応える参加NGOの活動成果がステークホルダーに伝わっていないことを懸念する。スマトラ沖地震時は、経団連、企業、学生とJPF職員が現地の視察に訪れたことで、現場の混沌とした状況や、事業の成果をご理解いただけた、と思う。今後、現場を訪れることが出来ないステークホルダーに報告する際も、計画と結果の整合性ではなく、成果を重視したアカウンタビリティの果たし方を模索すべきだと考える。

  2. 理想イメージと現状とのギャップ(課題)の抽出
    <アカウンタビリティ活動を行うにあたって障害となったこと>
    スマトラ沖地震時の緊急支援後に行われた経団連報告会において、参加企業リストがJPFに提出されなかったため、NGO側も把握することができなかった。その後のパキスタン地震時には、スマトラ沖地震時から新たに経団連報告会に参加した企業が支援を表明したこともあり、経団連との情報共有を促進することが、個別企業との新たな関係構築に寄与すると考える。
    また、JPFとして各ドナーに対する報告を行っているため、NGO個別の報告による効果が希薄化することは否めないと考える。

  3. 目指すべき方向性
    <NGOが考える各ステークホルダーへの理想的なアカウンタビリティ活動>
    外:
    納税者への報告義務が重要だと考える。納税者への報告により、JPF参加NGOの集合体として個人にも寄付のアプローチができると考える。この報告活動により、各NGOが抱える個人ドナーと競合する危険性があるのは事実だが、JPFと団体独自のドナーを戦略的に棲み分けることができれば、競合問題は発生しないと考える。
    経:
    個別企業への報告会が、現状ではJPF事務局による限られた企業へのパネル展示などに終始している。例えばJPFの企業リストを通じて報告会への呼びかけを行い、各企業への報告をNGOが分担して行うことにより、現地での支援活動に対する報告をより詳細に行うことが可能と考える。また、緊急支援というJPFの特殊性を考えても、活動が完了して数ヶ月後にNGOが所定の書式に報告を記載してJPFがとりまとめるのではなく、各団体が頻繁に企業への進捗報告を行えるような仕組みを構築できれば望ましい。
    その他のステークホルダー:
    ステークホルダーとの協働関係が構築できていないのが現状なので、まずはその関係性を明確にし、その後、アカウンタビリティについて議論すべきだと考える。
  4. 今後の活動計画(案)
    活動結果がいかに計画と整合しているかが問われる現状の報告形式において、JPF事務局とNGOの協働により支援の成果を測るための報告形式を策定し、JPF評議会で理解を得る。緊急支援活動の柔軟性の必要性が認識され、成果重視の報告形式が承認され次第、報告内容を評議会やホームページ、報告書などの形で情報発信する。
    また、地方には潜在的ドナーが多く存在するので、JPFとNGOが協力してアプローチすべきだと考える。

  5. 団体独自のアカウンタビリティ
    それぞれのステークホルダーが求めるものに応えるため、同一事業でもドナーにより報告の伝え方をステークホルダーにあわせて行なっている。例えば新規・既存の区別、ビジュアルを多く求めるか、データを重視するか、現地のストーリーを求めるか、計画との整合性を重視するかなどの傾向を読み取り、報告量や報告形式(訪問による報告、書類のみによる報告など)、報告のタイミングなどを考慮している。
以上


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