SDGsでみるJPF20年

Leave No One Behind 
~誰一人取り残さない~

20thロゴメッセージ

2020年、JPFはおかげさまで創設20周年を迎えました。
設立以来、JPFをご理解、ご支援くださっている皆様に改めて感謝申し上げます。
人道危機における課題には、国や地域を越えて、様々なアクターの力を合わせた連携が不可欠です。
必要としている人々に迅速に効果的に支援を届けることができるように、JPFはこれからも、「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」を目指した課題解決のため、皆様との連携を推進するプラットフォームを目指し、進化し続けてまいります。

SDGsとは

SDGs(Sustainable Development Goals)SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。キーワードは「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」。2030年までを期限とする世界共通の17の目標により、貧困や飢餓や暴力を撲滅し、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られている世界を実現することを目指しています。

  • SDGsでみるJPF20年
  • 数値でみるJPF 20年の実績
  • JPF20年 Leave No One Behindのあゆみ

SDGsでみるJPF20年
~支援現場のSDGs、企業連携、メディア連携

  • JPF誕生
  • 頻発する国内災害対応へ
  • 迅速性のさらなる追求
  • モニタリング&評価
  • 脆弱層にフォーカス
  • 気候変動と飢餓
  • 平和と教育
  • ジェンダー平等を目指して
  • 安全な水・トイレを
  • 地域力強化(レジリエンス)
  • NGOのキャパシティビルディング、支援の質の向上
  • 透明性と説明責任
  • 災害支援の現場に届ける、NGOと企業の連携
  • 人道支援におけるメディア連携
  • 国連やグローバルなネットワークとの連携
  • JPF×ART Project 「THINK ABOUT A REFUGEEE」キャンペーンJPF×ART Project 「THINK ABOUT A REFUGEEE」キャンペーン

JPF誕生 ~NGO、企業、政府等が連携する市民社会のプラットフォーム

JPF誕生 ~NGO、企業、政府等が連携する市民社会のプラットフォーム
©JPF

17 パートナーシップで目標を達成しようジャパン・プラットフォーム(JPF)設立前、日本の各NGOは単独で迅速に包括的な支援を行うだけの財政基盤やキャパシティが十分にはなく、国際支援の輪に入れなかった実情がありました。紛争や災害が起き人道支援が必要な状況があると、資金集めから開始して現地に入れるのは1ヵ月後。各NGOの悩みは初動のための資金でした。

いかに早く現地入りして支援の場所を確保し、日本としてきちんと支援を届けていくか。2000年、世界の自然災害や紛争からの難民・避難民に対する緊急人道支援を、NGO、企業、政府などがそれぞれの強みを活かして迅速かつより効率的に行うための新しい仕組みとして、JPFが誕生。各得意分野を持つ40以上のJPF加盟NGOと情報を共有し、ともに支援プロジェクトをつくり、これまでに総助成額約670億円、120プログム、1,650事業以上の支援活動を展開してきました。

JPF設立以前は、日本人が現地の支援団体のコーディネーションミーティングに出ると驚かれる雰囲気でしたが、今では、国際社会の支援の一翼を担うべく国連機関との契約、資金を獲得する力、現地で支援分野ごとのミーティングをリードする力もついてきました。

頻発する国内災害対応へ

「東日本大震災被災者支援」©JPF
「東日本大震災被災者支援」©JPF

2011年3月11日、東日本大震災において、JPFとして初の大規模な国内支援を実施。それまでの海外での支援経験を活かし、発生から3時間以内に出動を決め、迅速に現地に向かいました。すぐに仙台市に東北事務所を開設し、その後、被災3県に地域担当を配置。

加盟NGOによる支援だけでなく、地元団体を支援するために「共に生きる」ファンドを開設し、きめ細かい支援により、地域の人々と一緒に復興を後押ししてきました。被災県の地域連携・中間支援組織とともに地元NPOをサポートし、JPF支援終了後もたくさんのつながりを活かして、地元で復興を進めていける体制づくりをしてきました。

2015年には、「福島支援強化」方針を出し、現在も複雑な課題を持つ福島の支援を続けています。
熊本地震、西日本豪雨などここ数年毎年発生している国内災害では、現場における支援者間の連携・調整の重要性を教訓に、情報共有体制の強化、地元の方々が力をあわせて復興に向かえるよう地域力強化にも尽力してきました。

迅速性のさらなる追求

緊急初動調査の際、避難所で健康状態をチェックする医師。「令和元年台風被災者支援」©PWJ
緊急初動調査の際、避難所で健康状態をチェックする医師。「令和元年台風被災者支援」©PWJ

現地に必要な支援を届けるためには、迅速かつ的確な状況把握が欠かせません。JPFは即日に出動して調査と支援の両方を実施できる「緊急初動調査」という仕組みを2014年に開始。

「フィリピン台風ハグピート被災者支援2014」では発生直前から調査を開始、「北海道地震被災者支援2018」(北海道胆振東部地震)では、地震発生当日に移動を開始して翌日現地入りするなど、これまで国内外の自然災害に対して計22回の緊急初動調査を実施してきました。

現地調査を迅速に行い、被害状況に合わせて必要な支援を計画して素早く実行する。そのスピードをあげることで、被災者ニーズを把握してタイミングを逃さずに支援を届けることができます。日々変化する被災地の状況に柔軟に対応し、必要な支援を速やかに届けられよう、平時から準備を整えています。

モニタリング&評価 ~その事業は受益者のためになっているか

受益者の声を聞く。「南スーダン難民緊急支援」©JPF
受益者の声を聞く。「南スーダン難民緊急支援」©JPF

JPFは、自分たちの活動が本当に受益者のためになっているのかを確認し、その評価結果を活用して、いかに次の支援事業の質を上げられるかを目指しています。

例えば、現在「南スーダン難民緊急支援」プログラムのもとウガンダで実施されている子どもの保護と女性の衛生促進事業のモニタリング評価では、チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)の運営ボランティアや受益者の世帯を訪問し、直接のインタビューで受益者の声を聞き、受益者目線で活動の進捗や成果の達成度を確認。事業の妥当性や効率性、持続可能性について評価を行いました。あわせて、各分野の専門家を有するJPFモニタリングチームと、現場の担当加盟NGOスタッフとの意見交換の場を設け、フィードバックや提言を次のより良い事業実施に向けてまとめました。

脆弱層にフォーカス ~本当に必要な人々へ洩れのない支援を

感染防止のための情報が行き届きにくい地域で、啓発用パンフレットを配布。「新型コロナウイルス対策緊急支援 ©SVA
感染防止のための情報が行き届きにくい地域で、啓発用パンフレットを配布。「新型コロナウイルス対策緊急支援 ©SVA

1 貧困をなくそう3 すべての人に健康と福祉を人道危機により難民・国内避難民となった人々の多くは、食糧や住居など、生活の様々な面で支援に頼らざるを得ない状況にあります。避難先から、再び別の場所に避難せざるを得なくなり、さらに脆弱な立場になることもあります。自然災害で被災した人々も同様に、移動を余儀なくされ、公的支援から洩れてしまうこともあります。

JPFは、特に弱い立場に置かれている人々が支援から取り残されることがないように、丁寧に着実に支援活動を続けてきました。現在活動中の「新型コロナウイルス対策緊急支援」においても、国内においては、高齢者、障がい者、女性、子ども、生活困窮者など、特別なケアを必要とする人々への支援を優先し、海外では、すでに脆弱な人々への支援を実施している現行のJPFプログラム実施国・地域において、既存の人道危機のさらなる悪化を防ぐことを目指して活動しています。

気候変動と飢餓

  • イエメン西岸地域で国内避難民に食糧を提供。「イエメン人道危機対策支援」©ICANイエメン西岸地域で国内避難民に食糧を提供。
    「イエメン人道危機対策支援」©ICAN
  • パキスタンなどで大量発生しているバッタ。「害虫被害緊急支援」©Manojパキスタンなどで大量発生しているバッタ。
    「害虫被害緊急支援」©Manoj

2 飢餓をゼロに13 気候変動に具体的な対策を近年において増加傾向にある飢餓人口を、気候変動と密接不可分の関係にある課題と捉えて、JPFでは様々な食糧・農業支援を行っています。

最近では、昨年2019年12月以降に大量に発生し、農業地域などに多大な被害をもたらしているサバクトビバッタ対策のため、アフリカ・南アジア地域3か国において害虫の駆除活動・研修事業を支援し、地元コミュニティのレジリエンスを強化しています。

また、気候変動に伴う災害の頻発に苦しむ各地においても、支援活動を展開しています。例えば、頻繁に干ばつの被害に苦しむアフガニスタンにおいて、灌漑施設の改善事業、現金給付を通じた食糧支援などを行っています。

平和と教育 ~子どもたちの未来のために

グンボ国内避難民キャンプにて、暴力を予防するための早期対応研修の様子。「南スーダン難民緊急支援」©REALs
グンボ国内避難民キャンプにて、暴力を予防するための早期対応研修の様子。「南スーダン難民緊急支援」©REALs

4 質の高い教育をみんなに16 平和と公正をすべての人に難民、国内避難民となった人々が学ぶ機会を失わず、子どもたちが未来に希望を持てるよう、JPFでは各地における教育支援にも尽力しています。難民を受け入れるホストコミュニティと言語が違う場合、どの国の言葉で教育を受けるのかなど、支援には多くの調整が伴います。暴力を目にするなど、心に影響を受けた子どもたちへのケアのニーズも高いです。

REALs(旧JCCP)は、南スーダン・ジュバ市の国内避難民キャンプにおいて、若手リーダーの育成や啓発、異なる民族間の融和促進などの平和構築事業を実施しています。住民が主体となり、どうやって平和を取り戻していけるのか考えてもらうことで、争いに適切に介入し暴力を未然に防止できるようにすることを目指しています。近年「トリプル・ネクサス」と言われる、「人道、開発、平和の連携」というアクター間の垣根を越えた支援の形が目指されており、教育面も含め様々な形での平和に向けたサポートが重要です。

ジェンダー平等を目指して

ジェンダーに基づく暴力からの保護とコミュニティの対応力強化事業。「ミャンマー避難民人道支援」©WVJ
ジェンダーに基づく暴力からの保護とコミュニティの対応力強化事業。「ミャンマー避難民人道支援」©WVJ

5 ジェンダー平等を実現しよう災害、人道危機などの危機的状況下では、女性や子どもに対する暴力は増加すると言われています。過酷な環境に置かれた女性や子どもの尊厳や健康は常に脅かされているため、JPFでは直接的な暴力だけではなく、教育分野やトイレなどの衛生面でも女性や子どもが取り残されないような支援をしてきました。

例えばWVJは、バングラデシュの避難民居住区において、ジェンダーに基づく暴力(GBV)にさらされやすい女性たちの支援をしています。早婚・強制的な結婚、性的搾取などの問題に対し、心理社会的サポートや安全対策のための街灯の設置、女性が安心して過ごせるセーフスペースの設置など、多岐にわたる支援に取り組んでいます。

安全な水・トイレを

改善された水道設備で水を汲むミャンマー避難民の女性たち。「ミャンマー避難民人道支援」©IVY
改善された水道設備で水を汲むミャンマー避難民の女性たち。「ミャンマー避難民人道支援」©IVY

6 安全な水とトイレを世界中に世界では、人口の約3割の約21憶人が安全な飲み水を入手できず、約6割の約42億人が安全に管理された衛生施設、トイレを使用できないと言われています。また汚水や不衛生な環境は感染症を引き起こし、コレラ、赤痢、A型肝炎、腸チフス等による下痢により多くの方々が命を落としています。

JPFでは、各難民キャンプにおいて、水・衛生環境の質や改善、その持続性のための支援を実施してきました。例えば、バングラデシュ・コックスバザール県にあるミャンマー避難民キャンプでは、女性や子どもに配慮したトイレ建設、し尿処理施設整備、水浴び室建設やトイレ使用啓発トレーニングといった衛生関連サービスの提供など、ミャンマー避難民及びそのホストコミュニティの住民の水・衛生環境の改善に取り組んでいます。

※JPFでは、民族的背景及び避難されている方々の多様性に配慮し、「ロヒンギャ」ではなく「ミャンマー避難民」という表現を使用します。

地域力強化(レジリエンス) ~地元の人々が力を合わせて復興に向かうために

  • 石巻市で語りべの話を聞くアフガニスタン防災関係者。「アフガニスタン人道支援2016」©JPF石巻市で語りべの話を聞くアフガニスタン防災関係者。
    「アフガニスタン人道支援2016」©JPF
  • 火の国会議。「熊本地震被災者支援」©JPF火の国会議。「熊本地震被災者支援」©JPF

v13 気候変動に具体的な対策を緊急人道支援の大切な目標のひとつは、現地の人々が復興に向かって地域主導で対応できる力、さらには次の災害時に被害を最小にとどめて立ち上がれる力(レジリエンス・地域力)を高め、最終的には、支援の機能が地元に移行されたり、支援の必要がなくなることです。JPFは、そのために地域に寄り添い、伴走してきました。

例えば、2016年の発災直後から継続している「熊本地震被災者支援」では、緊急支援後の復興フェーズとして、地元団体KVOADと連携し、地元NPOの人材育成および県域・市町村域で中間支援を担う活動を支える事業を展開。また、東日本大震災をはじめとする、過去の被災地から学ぶ研修なども実施してきました。

効果的でスピード感のある支援連携や情報共有を目指し、KVOADが中心となり熊本地震直後から開催している「火の国会議」は、災害から4年以上経つ現在でも継続し、300回以上開催しており、その後の国内災害における連携機能につながっています。

※くまもと災害ボランティア団体ネットワーク

NGOのキャパシティビルディング、支援の質の向上

NGO能力強化研修(2013年4月)©JPF
NGO能力強化研修(2013年4月)©JPF

JPFはそのビジョンの一つとして、「NGOの活動のあるべき姿を進化・創出し、その実現に向けて国内外で中心的な役割を担う」ことを掲げています。

2013年4月~2016年7月に実施した「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」は、US-Japan Council主導のTOMODACHI イニシアチブならびにJ.P.Morganの支援を受け、JPFが米国のNGO団体Mercy Corpsとのパートナーシップのもとに展開。東日本大震災の経験や教訓を活かし、日本のNPO/NGOの能力強化を目的として、様々な研修を計画、実施しました。

2019年度は、人道支援の現場で活動するNGOが最低限守らなければならない指標をとりまとめた「スフィアハンドブック(2018)」の日本語版の発行や研修を実施し、支援の質とアカウンタビリティの向上を図るとともに、日本における人道支援の国際基準の普及・提言活動を行いました。

透明性と説明責任 ~支援はどう届いたのか

「ネパール中部地震被災者支援2015」©JPF
「ネパール中部地震被災者支援2015」©JPF

JPFは、ご寄付やご協力をいただいた皆様に、支援が人々にどう届いたのかをお伝えすることを重要視し、しっかりとした活動報告により信頼を築いてきました。写真入りのレポートで詳しく報告いただけるので社員のモチベーションも向上している、JPFへの寄付は、経験、知識、実績をしっかりと伴ったNGOの活動に寄付するためのスクリーニング機能ともなっている、といったお声をくださる支援企業の皆様が多くいらっしゃいます。

JPFはこれからも、活動の透明性と説明責任をしっかりと果たしてまいります。また、シンポジウムやイベント、ウェブサイト、日々のSNS(Twitter、Facebook)、本年次報告書などはもちろん、メディアや様々なセクターの人々との連携を通して、日々の活動をお伝えしてまいります。

災害支援の現場に届ける、NGOと企業の連携

  • 被災地でサンプルを配布。「インドネシア・スラウェシ島地震・津波被害者支援2018」©CWS被災地でサンプルを配布。
    「インドネシア・スラウェシ島地震・津波被害者支援2018」©CWS
  • 「FASTAID™ウィルス・スイーパータオル」。シール強度を自在にコントロールできる「ロック&ピール®」の技術を活用し、除菌・抗ウイルス効果を得られる水溶液と圧縮タオルを別室で包装した2 in 1パッケージ ©三井化学「FASTAID™ウィルス・スイーパータオル」。
    シール強度を自在にコントロールできる「ロック&ピール®」の技術を活用し、除菌・抗ウイルス効果を得られる水溶液と圧縮タオルを別室で包装した2 in 1パッケージ ©三井化学

17 パートナーシップで目標を達成しよう「自社の技術を社会のために役立てられないか」。そう考え実行する企業は、この20年間で増加し、目覚ましい貢献をされています。JPFは、各企業や他NGOとともに、災害発生時の支援現場におけるニーズと、社会課題解決を目指す企業のリソースの連携を促進する、「More Impact」構想を2016年に掲げました。

例えば、被災地における課題の一つは、衛生面。「被災地での感染症リスク予防のための除菌アイテムがあれば」という現場のニーズが、三井化学をはじめ複数の企業の災害支援のイノベーションを目指す熱意につながり、「FASTAID™ウィルス・スイーパータオル」として結実しました。

「2020年4月から、衛生資材が不足している国内の公共施設や介護施設などに提供しています」と、JPFの姿勢に賛同し、More Impact立ち上げのきっかけを作った、三井化学ESG推進室の八木正さん。

JPFはこれからも、命を守る支援を現場に届けるため、様々な企業と連携していきます。

人道支援におけるメディア連携

  • 記者にNGOの支援について説明。「台風15号被災者支援」©JPF記者にNGOの支援について説明。「台風15号被災者支援」©JPF
  • 海外メディア6ヶ国11社が参加した第7回メディア懇談会。「あれから8年、福島のいまとこれから ~国内避難の教訓を世界へ~」。8媒体に福島に関する記事が掲載された(2019年2月)©JPF海外メディア6ヶ国11社が参加した第7回メディア懇談会。
    「あれから8年、福島のいまとこれから ~国内避難の教訓を世界へ~」。8媒体に福島に関する記事が掲載された(2019年2月)©JPF

17 パートナーシップで目標を達成しよう人道支援NGOはメディアとどのように連携できるか。 JPFは、人道支援の現場と人々をつなげ、課題解決の促進を目指すため、メディアとの連携にも力を入れてきました。

2017年2月に開催した、JPFとマスコミ倫理懇談会全国協議会が共催した、災害報道研修会「災害時に何をどう発信するのか~メディア、NGO、自治体による効果的な災害対応のために~」は、メディア関係者約60名、人道支援NGO約20名、自治体関係者約20名と合計100名以上が参加。この規模で3者が一堂に会し、災害時の連携の可能性を探るというターニングポイントとなりました。災害時、それぞれの立場、役割から活動していても、命を守るという目的は同じ。お互いについてより理解、連携を深めれば、相乗効果のある報道や支援が展開できる可能性が望めます。

「台風15号被災者支援2019」では、BuzzFeed Japan記者同行により、支援現場やニーズを把握していただき、より被災者目線の多くの記事を出していただきました。

国連やグローバルなネットワークとの連携

UNHCR&JPF共催。『アレッポからニューヨーク、そして東京へ:共に生きるために』(2017年6月20日)
UNHCR&JPF共催。『アレッポからニューヨーク、そして東京へ:共に生きるために』(2017年6月20日)

17 パートナーシップで目標を達成しよう支援の現場においてはもちろん、日本でも人々にその現状を知ったり理解したりしていただくために国連などの国際機関とも連携してきました。例えば、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とは、2013~2017年まで毎年「世界難民の日」にシンポジウムを共催しました。2017年6月20日の5回目、『アレッポからニューヨーク、そして東京へ:共に生きるために』では、国連大学に、支援関係者、学生、企業のほか、メディア16社を含む360人以上が参加。NGO、企業、政府や国連機関、難民を社員採用する企業、福島の避難区域のお寺の住職、ギタリストのMIYAVI氏、学生など、セクターを越えた多様な視点を交え、日本における創造的な難民支援の活動、共に人権を尊重しながら生きられる多様性のある社会について議論しました。

また、ヨーロッパを中心に世界各国9団体が加盟する、緊急災害や難民発生時に人道支援のため“協働してファンドレイジングを行う仕組み”をもつネットワーク、Emergency Appeal Alliance(EAA)に、日本メンバーとして加盟するなど、グローバルなネットワークにおいて、情報共有や議論をしながら、学び、寄与していくことにも力を入れています。

『THINK ABOUT A REFUGEE』キャンペーン
~「難民のことを思うとき、数ではなく、誰かの家族として、1人の“ひと”として想像してみる」~

©Yoshitomo Nara

17 パートナーシップで目標を達成しよう2019年3月、「JPF×ART Project」として、美術家の奈良美智さんがヨルダンを訪問。シリア難民キャンプやアンマン市内のホストコミュニティで暮らす、シリア人家族や子どもたちと過ごしました。
「難民問題という大きなくくりではなく、家族という最少の単位で見ている」と奈良さん。出会った子どもたち一人ひとりに思いを馳せながら、『THINK ABOUT A REFUGEE』キャンペーンのためのカードデザインにご協力くださいました。カードの2枚目を大切な誰かにお送りいただき、奈良さんのメッセージの輪を広げる本キャンペーンには、120人以上が参加してくださいました。

従来の方法や支援関係者だけではもはや解決できない人道危機の現状において、国際協力NGOと多様な人々が連携・協力することは益々重要になってきています。

  • シリア難民キャンプやアンマン市内で暮らすシリア人家族や子どもたちと過ごす奈良美智さん ©JPFシリア難民キャンプやアンマン市内で暮らすシリア人家族や子どもたちと過ごす奈良美智さん ©JPF
  • シリア難民キャンプやアンマン市内で暮らすシリア人家族や子どもたちと過ごす奈良美智さん ©JPFFシリア難民キャンプやアンマン市内で暮らすシリア人家族や子どもたちと過ごす奈良美智さん ©JPF
  • 2020年6月世界難民の日Weekに開催した「奈良美智トークイベント シリア難民の生活を体験」の様子 ©JPF2020年6月世界難民の日Weekに開催した「奈良美智トークイベント シリア難民の生活を体験」の様子 ©JPF

※2019年11月15日~2020年2月29日の期間中、「イラク・シリア難民人道危機対応支援」にご寄付くださった方、JPFの活動を継続的に支え難民に寄り添う支援となる「マンスリーサポーター」に入会くださった方に、奈良さんデザインのカードを2枚セットで贈呈。キャンペーンはUNHCR協会と共催(キャンペーン内容は異なります)。

数値でみるJPF 20年の実績

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※設立から2020年3月31日まで

JPF20年 Leave No One Behindのあゆみ

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