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お知らせ 2022年12月26日

急募「パレスチナ・ガザ人道危機支援終了レビュー」データ収集・分析コンサルタントを募集します

JPFパレスチナ・ガザ人道危機支援プログラムが2022年度をもって終了することに伴い、これまで同地へJPFが実施した支援のレビュー業務をJPF事務局のチームと一緒に担っていただけるコンサルタントを募集します。

1. 概要

案件名 JPFによるパレスチナ・ガザ人道危機支援終了レビュー
地域 ガザ地区
担当部署 事業評価部
担当業務 データ収集・分析1名
契約形態 業務委託契約
全体期間 2023年1月~2023年5月
業務日数 準備日数:4日間
現地(ガザ地区)出張期間:7日間
整理期間:5日間

工程表(簡略版): 工程表(簡略版)

2.応募方法・期限

応募書類 従事者のCV及び見積書
*「5.特記事項」を参照のこと
応募方法 電子データのみ専用アドレスへ送付
専用アドレス procurement@japanplatform.org
メール件名に「パレスチナ・ガザ人道危機支援終了レビュー」と記載のこと
応募期限 2023年1月4日(水)12時まで先着順審査
上述専用アドレスにて受付

3.評価項目・配点(100点満点)

評価関連業務経験 30点
パレスチナ・ガザ地域での業務経験 30点
NGOでの業務経験 30点
学位・資格・語学(英語)10点

3.業務の背景

ガザ地区は2007年以降イスラエルの封鎖下にあり、人や物の移動が著しく制限され、経済分野への投資も限られるため、経済活動も停滞している。2014年の紛争によりインフラが破壊されてから、復興も進んでいない。また、新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延によりガザ地区の失業率は50.2%1、貧困世帯の割合は53%から59.3%に増加した2。加えて国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の資金不足や国際NGOの撤退など国際的な支援が著しく減少する中、市民の生活は厳しい状態であり、ガザ地区内で130万人が食料支援を必要としている3。生活の基盤となる電気の供給も、同様に経済封鎖により著しく制限され、1日平均して12時間以下の状態が続いており、日常生活の全ての活動に負の影響を及ぼしている4。病院や上下水道施設稼働に必要な燃料は国連からの支援に依存し、恒常的に不足している5。電力不足は人々の命を守る医療にも大きな影を落としており、電気で稼動する医療機器が十分に使用できず、人工透析など高度医療が必要な患者はとくに生命の危機にさらされている。また、医療機器や医薬品などの医療物資も、ガザ域外から物資の搬入は厳しく制限されているため、国際社会からの援助に頼らざるを得ない状況にある。

2014年7~8月のイスラエル軍による大規模な攻撃後、最近では2021年5月にイスラエル軍による空爆や砲撃があり、ガザでは67人の子どもを含む261人が死亡し、2,200人以上が負傷した6。最も多い時で113,000人が避難民となり、多くの人々が安全を求めてUNRWAが運営する学校施設、または友人や親戚の家への避難を余儀なくされた。約290ヶ所の給水管、下水管、ポンプ場等を含む水・衛生施設が損傷し、約130万人が安全な飲み水や衛生設備へのアクセスを阻害され、深刻な健康上のリスクにさらされた7。また、123カ所の医療施設が損害を受け、COVID-19の感染拡大も相まって、脆弱な医療体制はさらに逼迫され、多くの保健・医療が機能不全に陥った8。331ヶ所の教育施設が損傷し、ガザの教育サービスはさらに危機的状況となっている9。2021年5月の空爆以降大規模な武力衝突は起きていないものの、ガザを実効支配するハマスとイスラエル間の緊張関係は今も続いている。

JPFはガザ地区の人々の生活に大きな爪痕を残した2014年7~8月のイスラエル軍侵攻を受けて、2014年8月に同地への支援を開始し、累計加盟9団体56事業25.5億円(未確定6.2億円含む)の支援を実施した。特に2018年以降は、医療・保健へのアクセス不足が深刻な中、JPFとしては政府予算の性質上単年度プログラムが主流の中、数少ない3年間の複数年プログラム(2018年9月1日~2022年3月31日:3.7年間)を施行。同プログラム下で、2加盟団体が8事業を通じて、医療・保健の質やレジリエンス向上のための支援に集中的に取り組んだ。並行して2021年5月のイスラエル軍による空爆の被害には、緊急準備金を活用して、4団体7事業も実施された。

図1:JPFのビジョンミッションとモニタリング評価の関連性
図1:JPFのビジョンミッションと
モニタリング評価の関連性

これらJPF資金による支援事業に対して、JPF事務局はステークホルダーへの情報提供と説明責任、プログラム戦略へのフィードバック、ケーススタディの実施、リアルタイムモニタリング、評価結果の共有と学びの促進といったモニタリング・評価活動を行うことで、特に「支援のための効率的な連携」、「NGO活動の牽引力となる」という2つのミッションに対して貢献するよう努めてきた(図1参照)。特に前述複数年プログラムについて、JPFは「パレスチナ・ガザ人道危機対応支援モニタリング評価事業」(事業期間:2019年4月9日~2020年4月8日 執行額8,583,994円)及び「パレスチナ・ガザ人道危機対応支援モニタリング評価事業(2年次3年次)」(事業期間:2021年2月17日~2022年4月30日執行額6,774,610円)を実施し、第3者モニタリング及び評価を1・2年次事業及び3年次事業の1事業に対して実施した。これらのモニタリング・評価活動は、事務局によるモニタリング・評価の方針の見直しにより2022年4月より施行された事業実施・助成ガイドラインの細則13「モニタリングにかかる措置」及び同14「評価にかかる措置」10に基づき実施されたものである。モニタリング評価活動から把握された事業成果、学び及び教訓を、ステークホルダーへ報告し、また、一連のプログラムサイクルの流れの要所に打ちこむことで、JPF資金により加盟団体がパレスチナ・ガザ地区で実施する現在・将来の両方の事業の質を改善し、JPFにおけるアカウンタビリティと質のサイクルを完全な円に繋ぐことで、2022年度に形成された2事業への学びと教訓の反映を実現した。他方で、2022年度実施中の本プログラムにおいては、前述モニタリング及び評価にかかる細則に基づくと、JPFによる現地訪問を伴うモニタリング及び終了時評価評価の対象となる現行事業はない。

JPF常任委員会は、プログラム戦略会議からの提議を承認し、2022年度実施中の本プログラムをJPFによるガザ地区への支援のフェーズアウトの1年と定め、同プログラム下の現行2団体2事業をもって、ガザ地区へのJPF支援を終了すると決定した。自然災害が頻発・激甚化し、人的災害も複合化・長期化する傾向にあり、JPFの限られた予算の中で、「どの人道危機をJPFは支援するのか」という戦略的な決断をする必要性に迫られての決定であった。これまで人道危機が発災した場合のJPF資金による支援の開始と終了は、加盟団体の趣意書提出に始まり、予め決められた支援プログラム期間後に延長の提案が加盟団体からなされなければ終了する加盟団体主導の自然派生的な流れであったところ、JPFの歴史の中でも、限られた財源の中で支援の方向性を戦略的に選択する段階へと進んだことが伺える。しかし、パレスチナ・ガザ地区では紛争を含む複合的な人道危機により支援ニーズが未だ高いとの認識の下、これまで支援を実施してきた加盟団体の中からは、支援の終了に強い疑問が呈された。同区へのJPF支援終了について一両日中の解決策が見いだされていないものの、加盟団体との協議を通じて、一般に支援終了までにDown-Out-Over期間を経る出口戦略のステップを踏むことが理想であるところ、日本のNGOの緊急人道支援を下支えする中間団体の責任のある権限の行使の一環として、既に導入を決定している1年のフェーズアウト期間を補完して、アカウンタビリティの充足に努める責務が認識され、JPF事務局が主導するモニタリング・評価活動の中で実施することが合意された。

1 UNRWA OPT, Emergency Appeal P. 8
2 UNRWA OPT, Emergency Appeal P. 14
3 World Bank, Economic Monitoring Report to the Ad Hoc Liaison Committee, 30 April 2019, para. 4.
4 OCHA OPT, Electricity in the Gaza Strip
5 Humanitarian Needs Overview 2019 occupied Palestinian territory
6 OCHA, “Overview November 2021”, 3 Nov 2021
7 UNICEF, “State of Palestine Humanitarian Situation Report No.2 January-July 2021”, August 2021, p.3
8 Health Cluster, “Health Cluster Bulletin June 2021” P1, P8
9 World Bank, “West Bank and Gaza - World Bank Country Assistance Strategy for the Period 2022-2025”, 11 Nov 2021, p.6
10 https://www.japanplatform.org/lib/data/documents/210401_1-13.pdf
https://www.japanplatform.org/lib/data/documents/210401_1-14.pdf

4.業務の内容

JPF事務局は、パレスチナ・ガザ地区へのJPF支援を2022年度をもって終了するという決定を踏まえ、1)これまで同地へJPFが実施した支援を振り返り記録、並行して2)JPF事務局と各事業実施団体の出口戦略の棚卸と必要されるフォローアップを現地提携団体に提供することで、 JPFのアカウンタビリティ(説明責任と権限の責任ある行使)を充足する。特に、説明責任を充足することを目的として実施する1)のJPF支援振り返り記録について、1.1)既存の評価結果をデスクレビューによりメタレビュー、1.2)MSCにより支援がもたらした主要な変化の把握し、関係者へ公開・共有・報告する、という2つの活動を予定している。本業務従事者は、これらパレスチナ・ガザ地区へのJPF支援についての評価を全体監理をする監督職員と協働して、特に1.2)の執行を担う。具体的な担当事項は以下のとおり。

データ収集・分析

1) 準備期間:4日間

  • 既存の文献、報告書、事業リスト等をレビューし、全体調査デザインの確定を補助する。
  • 全体監理打ち合わせ、レビュー対象NGO説明会等に参加する。
  • ツールの和→英訳、現地データ収集人材指示書作成、現地出張ロジ手配。

2) 現地出張期間:7日間

  • チームリーダーと分業して、ストーリーの収集
  • 収集したストーリーの選択

3) 国内整理期間:5日間

  • 収集したストーリーの英→和訳、報告へのまとめ
  • 現地写真・動画撮影業者への指示

5.特記事項

  • レビューチームの体制:
    チームリーダー1名(JPF事業評価部)
    MSC専門家1名(外部・委嘱者)
    データ収集・分析1名(外部・業務委託)
  • 現地業務期間は2023年3月中旬~4月下旬の間の滞在5日間移動2日間程度を予定も、タイミングを含め調整可。
  • JPFは海外に事務所を設けていないため、現地出張期間中の空港送迎、宿舎手配、移動車両、通訳等の便宜供与は、自主手配による(政府資金に拠るため、旅レジの登録と外務省の定める危険地レベルに沿って、ガザ地区の入域は日帰りで計画することが必須)。
  • 航空賃及び日当・宿泊料等は契約に含むので、見積時点で渡航可能な現実的な経路で見積書に計上のこと。
  • 予算の計画的な執行の観点から、60万円以内での現実的な提案を記載のこと。
  • 現地業務期間中の本契約に含まれない移動車両費、通訳、現地補助人材の実費をJPFが負担。
  • 現地業務期間以外の執務・打合せは全てリモートを想定。

6.問い合わせ先

E-mailアドレス:procurement@japanplatform.org
メール件名に「パレスチナ・ガザ人道危機支援終了レビュー」と記載のこと

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