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イベント 2021年01月18日

【イベントレポート】2020年11月26日開催JPF協力「グローバル難民フォーラム(GRF)マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)第2回勉強会」

2020年11月末、日本UNHCR・NGO評議会(J-FUN)主催、ジャパン・プラットフォーム(JPF)/なんみんフォーラム(FRJ)/国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)協力の、『グローバル難⺠フォーラム(GRF)マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)フォローアップのための勉強会』がオンラインで開催されました

本勉強会は、2019年12⽉にジュネーブで開催された「第1回グローバル難⺠フォーラム(GRF)※1」に先⽴ち、2019年11⽉に開催された「マルチステークホルダー・コンサルテーション(MSC)」の枠組みを通じて⾏われる⾮公式の会合です。

第2回の今回は「高等教育が難民の保護とエンパワメントに果たす役割」。
教育機関をはじめ、政府機関・市民社会・ユースグループ・民間セクター・メディア・日本で勉強をする難民の学生など、多様なセクター間の情報共有の場づくりを目的に開催されました。

「MSC第2回勉強会」、参加した各アクターはそれぞれの取り組みや課題を共有 ©UNHCR
「MSC第2回勉強会」、参加した各アクターはそれぞれの取り組みや課題を共有 ©UNHCR

講演内容

第1部:難民の高等教育に関する国際的潮流

持続可能な開発目標(SDGs)の目標4は、「質の高い教育をみんなに」。すべての人々に、包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することを目標としています。しかし、難民の若者の多くは教育機会が限られた状況に置かれています。2019年に高等教育を受けられている難民の割合はたった3%で、この割合は何年も変わっていません。※2

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2019年に第三国定住・補完的受け入れに関する3年戦略を策定しました。この戦略は難民の第三国定住に加え、労働や教育など、より広い視野に立った「第三国による補完的な受け入れ」を通じて2028年までに300万人の難民が解決または保護を受けることを目標としています。そして、一次受け入れ国および第三国の高等・職業教育訓練プログラムへの難民の受け入れにより、就学率15%を目指しています。

さらに、教育を通じた第三国受け入れ(※Education pathways for admission to third countries には定訳がないため、ここでは仮訳を用いています)の拡大の促進と支援を使命とする、「教育に関するグローバル・タスクフォース」の紹介がありました。UNHCRをテクニカルアドバイザーとし、メンバーには複数の国の政府、大学連盟や、さらに日本の公共慈善団体も含まれています。このタスクフォースは、協働のアドボカシーの実施、奨学金プログラムを支援するためのツールキットの開発、さらに教育を通じた受け入れに取り組む世界各国の様々なアクターが、持続的な相互交流を通じて知識や経験を深めていく場を目指しています。

第2部:難民の高等教育に関する国内の取り組みと今後の展望

第2部では、難民の高等教育に関する日本国内での取り組みと今後の展望について多様なアクターからの発表がありました。

日本政府によるシリア人留学生受け入れは、国際協力機構(JICA)のシリア平和への架け橋・人材育成プログラム(JISR)と文部科学省の国費留学生制度があり、両制度を通して、2017年から5年間で最大150名のシリア留学生受け入れが目指されています。今後の課題としては、卒業生の就職や、受け入れ数と受け入れ国籍の拡大があげられました。

他にも日本では、国内にいる難民の方々が対象の、難民高等教育プログラム(RHEP)、難民専門学校教育プログラム(RVEP)、さらに国外にいる方々が対象の、シリア人学生イニシアチブ(SSI)、シリア難民留学生受け入れ事業、アフリカ遺児高等教育支援100年構想などのプログラムが様々なアクターにより運営されています。

プログラム運営者からは、今後の課題として、コロナ禍において在学生へのサポートを充実させること、難民の方々にプログラムの存在をより広く知ってもらうこと、現時点で協力大学が集中している地域以外への拡大、さらに、より充実した持続可能な事業のためのファンドレイジング、日本語習得支援や就職支援の充実などがあげられました。
RHEPパートナー大学からは、難民学生受け入れによって学内の他学生間で支援の輪が広がったことや、卒業生の就職や進学などの活躍の様子が紹介されました。リソース関連の課題として、難民の学生への学費や生活費のサポートのためのファンディングであることが話されました。

日本で勉強をする難民の学生からは、母国であるシリアの女性たちは、教育の機会がないことによって「自分たちに可能性と能力があることに気づくこともできない」と話しました。「自分以外にもシリアから来日した難民の若者たちが、日本語の勉強、進学準備、生活費のためのアルバイトなど、日々、夢や目標を達成しよう、社会に貢献できるようになりたい、と頑張っています」と話し、「私は人の悲しみが分かるからこそ、日本で勉強をして人々の心に平和を作る仕事がしたい、若者、特に女性にチャンスが与えられるようになることを強く望んでいる」と卒業後のビジョンを語りました。

もともと脆弱な状況に置かれている難民の方々は新型コロナウイルスの影響により、さらに困難な状況に置かれています。世界で増え続ける難民の方々が、受け入れ先の国でアクティブメンバーとして活躍していくことは、ポジティブな社会的、経済的変化をもたらし、市民文化をより豊かにすることにも繋がります。そのためにも人道セクター、教育機関だけではなく、財団や企業、政府などが協働して持続可能な受け入れをしていくことが必要とされています。

こちらのフォローアップ勉強会は、今後も継続して開催予定です。様々なテーマのもと、多様なステークホルダーが対話を深める場としていきます。

※1:グローバル難⺠フォーラム(GRF):2018年12⽉に締結された「難⺠に関するグローバル・コンパクト(GCR)」を推進するための閣僚級会合。GCRでは難⺠の直⾯する課題に対して、従来の⽀援⽅法にとどまらない社会全体での協⼒の必要性を訴えている。
※2:UNHCR, Coming Together For Refugee Education. Education Report 2020

▼JPF「新型コロナウイルス対策緊急支援(寄付受付中)」
https://www.japanplatform.org/programs/china-coronavirus2020/

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