長期化する避難生活。災害関連死を防ぐ支援活動

活動レポート

ピースウィンズ・ジャパン(PW)

長期化する避難生活。災害関連死を防ぐ支援活動

能登半島災害支援(地震・豪雨)

お茶会/石川県珠洲市/2024.09 ©ピースウィンズ・ジャパン

  • 珠洲総合病院健康相談会/石川県珠洲市/2024.10 ©ピースウィンズ・ジャパン

  • ミニ畑イベント/石川県珠洲市/2024.10 ©ピースウィンズ・ジャパン

2024年1月1日に発生した能登半島地震、同年9月21日の豪雨災害による多重被災から、現地の方々が抱える不安やストレスは長期化し、不眠に悩むケースが増えています。高齢化率が5割を超える石川県珠洲市では、もともと慢性疾患など健康状態に問題を持つ方、介護の必要な方が多く、災害関連死の予防対策が必須です。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟NGOのピースウィンズ・ジャパン(PW)は、珠洲市と連携して市内3地区で、災害関連死を招く要因とされる被災者の健康状態の悪化や孤立・孤独の予防を図っています。
PWが2025年1月に取り組んだ活動を紹介します。

① 見守りが必要な在宅被災者の戸別訪問
仮設住宅、自宅で避難生活をおくる27人を看護師らが戸別訪問し、生活状況の確認と健康チェックを行いました。対象となる方に「血圧手帳」を渡して血圧測定の習慣化を呼びかけたところ、血圧を毎日測る方、さらには時間や測定法を意識する方が見られました。
薬を服用する方には、「お薬カレンダー」の導入や他の支援者と連携をはかることで、服薬がスムーズになりました。
必要に応じて、医療・福祉等のサービスへの接続が必要な人を専門家・機関につなぎます。

② 避難所での健康相談、栄養指導
看護師を含む2名以上で避難所を巡回し、疾病の予防や早期発見を図っています。1月は9名に健康相談を実施。避難所での食事は、インスタント食品に偏りがちです。不足する栄養を補うために、タンパク質やミネラルを多く含む食品を提供しました。また、楽しみながらできる運動で、普段使わない筋肉を動かしました。このほか、感染症予防として避難所の衛生環境チェックと指導も実施しています。

③ 被災者同士の交流を促すイベントを開催
仮設住宅併設の集会所や公民館9カ所で、お茶会や健康相談会などを市と共催。1月は17回実施し、合計209名が参加しました。
お茶会を半年ほど定期開催する集会所では、住民の皆さん自身でこの先も開催できるように、サポートをしながら少しずつ運営を移行しています。会場は自宅や仮設住宅の共有スペースを利用する例も見られ、提供者の経済的負担を減らし活動を促進するために、灯油などの消耗品を2カ所に配布しました。「気兼ねなく暖房を利用できることで、気軽に集まる場として交流が盛んになった」という声がありました。
イベントには、見守り・専任スタッフとして栄養士と看護師を合計3名派遣しました。看護師の一人は、相談者の食生活に関して健康状況をヒアリングした上で、悪化予防につながる助言をしました。また、血圧測定のためのパンフレットを作り、参加者が家でも見られるようにしました。

珠洲市では仮設住宅に居住できる期間が延長されたことから、これまでの活動を促進する必要性が高まりました。治安状況に関するストレス悪化が懸念され、健康状況の注視も一層大切です。

JPFとPWは、在宅で避難生活を送る方を含めて、支援からこぼれ落ちる人が出ないよう体制を築き、今後も活動に取り組んでいきます。

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