今何が起きているの?
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ハン・ユニス県で新鮮な野菜を含む食料バスケットの配付を実施(2025122撮影)🄫PARCIC
2023年10月7日、ガザ地区を実効支配するハマスによるイスラエルへの攻撃と、それに続くイスラエル軍の大規模な軍事作戦が展開されました。この衝突は世界に衝撃を与え、日本でも「パレスチナ問題」や「ガザ人道危機」が連日報じられるようになりました。あれから2年以上が経った今も、ガザの人道危機は改善の目途が立っていません。
しかし、この危機は突然始まったものではないのです。
武力衝突激化以降の動き
| 2023年10月 | イスラエルとハマスの武力衝突激化 |
|---|---|
| 2025年1月 | 6週間の停戦合意 |
| 2025年3月 | 停戦崩壊 |
| 2025年8月 | 国連がガザ地区の「飢きん」を宣言 |
| 2025年10月 | 停戦合意・人質解放(停戦後も攻撃がつづく) |
| 2025年12月 | イスラエルがガザで活動するNGOの活動許可抹消を発表 |

衝突激化以前のガザの様子(ジャパン・プラットフォーム パレスチナ・ガザ地区支援 デジタルブックより)
パレスチナ自治区は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区に分かれています。ガザ地区は地中海沿いに位置し、イスラエルとエジプトに挟まれた長さ50km、幅5~8㎞という細長い土地で、広さにして東京23区の6割程度の非常に狭い地域です。人口は約200万人で、人口密度は世界有数です。 2007年以来イスラエルによって境界封鎖が続き、人や物の往来が厳しく制限されてきました。それが「天井のない監獄」と呼ばれる所以です。数年おきにイスラエルの軍事攻撃が繰り返され、ガザの人々は壊れた町や生活を再建してもまた破壊されるという閉塞感のなかで生活してきました。

ガザ地区
2008年12月、イスラエルはガザ地区に大規模な空爆を行いました。2009年、2012年、2014年、2021年にも大きな攻撃がつづきました。特に2014年は51日間にわたり空爆と地上からの攻撃が行われ、死者2,251人、負傷者11,000以上、全半壊した家屋18,000戸以上、72の病院およびクリニックが全半壊するという甚大な被害を受けました。負傷した人のうち10%に障害が残り、もともと弱い立場に置かれていた人々がさらに困難な状況に追い込まれました※1。
その後も、2021年5月10~21日にかけて起きたイスラエル軍による空爆や砲撃により、ガザでは67人の子どもと130人の民間人を含む261人が死亡し、2,200人以上(子ども685人と女性480人を含む)が負傷。最も多いときで113,000人の避難民が発生しました※2。
そして2023年10月。ニュースなどで報道されているとおり、その後の惨事は現在も続いています。 2025年8月には、国連は、50万人以上が飢餓、貧困、予防可能な死が蔓延する「飢きん」に陥っていると発表しました※3。飢きんとは、食料状況を表すもっとも深刻な状況で、中東地域で宣言されたのは初めてでした。
ガザ保健省によると、2023年10月7日以降で死者7万1,439人、負傷者17万1,324人。停戦後も増えつづけています※4。
ガザ地区では長い間複雑な問題を抱えてきました。2023年の武力衝突激化以前から、ガザが抱えてきた根本的な問題によって、そのしわ寄せは、全ての戦争がそうであるように、子どもや女性、高齢者や障害者など弱い立場に置かれた人々が受けています。
1. パレスチナ子どものキャンペーン 「パレスチナ問題とは」
1992年よりガザ地区で支援活動をつづけているJPF加盟NGO団体パレスチナ子どものキャンペーンのWEBサイトです。
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2. 国際連合広報センター 中東
国連の発足当時からの中東問題への取り組みをまとめたページです。
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3. 外務省 よくある質問集
中東問題やパレスチナ自治区についてなど、よくある質問をQ&A形式で掲載されています。
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4.GAKKEN ×朝日新聞 【1分でわかる】1からまなべる! イスラエル・パレスチナ紛争の理由と歴史
子ども向けのコンテンツです。ご家族でご覧いただくのもおすすめです。
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5.世界史の窓
世界史の用語集サイト。3000年前からのパレスチナの歴史について記載されています。
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6.ジャパン・プラットフォーム パレスチナ・ガザ地区支援デジタルブック
2023年6月までのジャパン・プラットフォームによるガザ支援をまとめたパンフレットです。収録された、支援を受けた人々の生の声からは、日々の生活の様子などリアルな状況を感じることができます。
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7.朝日Re:Ron 「復興は道なかば」の無限ループ ガザ地区への人道支援が抱える鬱屈
2023年にパレスチナに支援評価のために出張した、JPFモニタリング評価専門家スタッフ執筆記事(有料コンテンツですが、前半部分は無料で読むことが可能です)。
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1. パレスチナを知るための60章
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臼杵陽 編著 鈴木啓之 編著
明石書店
2. イスラエル・パレスチナ紛争をゼロから理解する
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イラン・パペ 著 早尾貴紀 監訳
広瀬恭子 訳 茂木靖枝 訳
河出新書
1. 『壁の外側と内側 パレスチナ・イスラエル取材記』
ジャーナリストの川上泰徳氏が2023年10月7日以降のパレスチナ・イスラエルを取材したドキュメンタリー映画です。
※東京 下高井戸シネマで2026年2月28日(土)~3月6日(金)まで上映中
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2. 『ガザ素顔の日常』
ガザ地区の普通の人々の暮らしに密着したドキュメンタリー映画です。
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ガザ人道危機に関心を持ち、最後までお読みいただきありがとうございました。
人道支援は、政治的な対立とは切り離された独立した立場で、人間の「いのちと尊厳を守る」活動です。
ジャパン・プラットフォーム(JPF)と加盟NGOは、2009年より、ガザ地区で支援を必要としている人々の現地の文化を尊重し、食料、医療、心のケアなど、人々が生き延びるために欠かせない支援を届けています。
解決の糸口がみえない中で、私たちが関心を持ち続けている、ガザの人たちのことを忘れていない、停戦を求めている、そして「支援を止めない」というメッセージ自体が、現地の人々にとっての希望となります。
引き続き、ジャパン・プラットフォームの活動に関心を寄せていただけますようお願いします。

食料パッケージを受け取る子どもたち/ガザ地区中部デール・アル・バラハ/2024年12月下旬🄫PWJ
出典
※1 The United Nations, Report of the Independent Commission of Inquiry on the 2014 Gaza Conflict -A/HRC/29/52, P.6
※2 OCHA, “Overview November 2021”, 3 Nov 2021
※3 UN News, Famine in Gaza: ‘A failure of humanity itself’, says UN chief, 22 August 2025
※4 OCHA, Humanitarian Situation Update #353 | Gaza Strip
※5 Ministry of Haelth Southern Governorates - Gaza Strip, ANNUAL REPORT 2022
※6 UNCTAD, The cumulative economic cost of occupation for the Palestinian people (2000–2024) and the long road to recovery, 17 Feb 2026