「アフガニスタン東部地震被災者支援2025」決定(寄付受付中)
ジャパン・プラットフォーム(JPF)
2017年8月、ミャンマーから大規模な数の避難民がバングラデシュに流入しました。8年が経過した今も、同国南部に位置するコックスバザールの難民キャンプには110万人以上が暮らしています※1。キャンプでは過密化やインフラ不足、不衛生な環境、女性や子どもへの暴力などが深刻化し、現地コミュニティへの大きな負担となっています※2。
また、政府はミャンマー避難民※3の送還を前提としているため、就労(キャンプ内での一部の仕事を除く)や恒久的な住居の建設を認めておらず、長期化する避難民の生活をどう支援していくかが喫緊の課題です。
2025年9月、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の評価担当チームが、現地の難民キャンプを視察しました。2回に分けて、レポートします。
避難民キャンプの取り組みを聞くJPFスタッフ(左)©Save the Children
密集したキャンプ内での生活において、衛生管理は大きな課題の一つです。加盟NGO セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、避難生活を送る人々の環境改善を目的に、トイレや給水施設などの整備、衛生管理の啓発活動、住居となるシェルターの整備などを行っています。
キャンプでは、水場やトイレを共同で使います。そのため、飲料水や生活用水、トイレや下水処理施設などの管理状態は、日々の生活に大きく影響します。このキャンプには傾斜の多い地域があり、高齢者や障がいのある人にとって水くみは大変な作業です。
目に障がいのある男性は、「自分のシェルターの近くに水くみ場を設置してもらって、とても感謝しています。毎日の水くみが本当に楽になりました」と話してくれました。
水の入手が楽になったと話してくれた男性(左から三人目)©Save the Children
この水くみ場は、非常に衛生的で私たちも一杯いただきました。クリアでおいしいお水でした。
イスラム教徒が多数のため、水くみ場は男女で区切られている ©Save the Children
女性が利用する衛生施設 ©Save the Children
上の写真は、女性専用の施設です。扉の向こうには井戸とトイレがあり、女性が男性の目を気にせず自分の衣類を洗濯することができます。避難生活を送っている方々の多くはイスラム教徒です。イスラム教では、基本的に男女が別々のスペースや施設を利用します。この施設は、女性だけで集まることのできる憩いの場所にもなっています。
衛生に関する啓発活動では、SCJが作成したオリジナル教材を活用しています。イラストや写真も交えて、わかりやすくする工夫がなされています。
多様な教材を啓発活動に活用 ©Save the Children
シェルターという仮住まいを前提とした住居や、水、電気などの生活インフラも十分整備されていないキャンプ内での避難民の生活は、非常に厳しいものでした。先行きの見えない中で、SCJによる事業は、人々の生活だけでなく精神的な支えにもなっていると感じました。
JPFとSCJは、避難生活を続けざるを得ない人々の生活と尊厳を守る支援に取り組んでいます。
※1 UNHCR, Myanmar Situation, 31 Aug 2025
※2 ISCG, Inter-Sector Needs Assessment - Bangladesh, 22 April 2025
※3 民族的背景および避難されている方々の多様性に配慮し、「ロヒンギャ」ではなく「ミャンマー避難民」という表現を使用します。
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