災害に備えるには
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ボランティアセンター運営支援 ©GNJP
熊本地震から10年が経ちます。
2016年4月14日午後9時26分、熊本県をはじめ九州地方でマグニチュード6.5の地震が発生しました。2日後の16日午前1時25分にもマグニチュード7.3の地震が続発。災害関連死もふくめて死者275人、負傷者2,739人、避難者は最も多いときで約18万人という大きな被害が出ました※。
JPFは、発生直後から加盟NGOをはじめ、現地支援団体、行政、社会福祉協議会、報道機関などと連携しながら、さまざまな形で被災者支援を行ってきました。
国内外における支援経験をもとに、災害弱者やジェンダーヘ配慮した緊急支援を開始し、特に、震災から半年が経過した2016年10月以降は、地元の人々が主役となり、力を合わせて復興に向かっていただけるよう、「地域力強化」に尽力してきました(助成事業は2021年7月に終了)。
その後も国内外で水害や地震が多発しています。いざ、自分の地域で災害が起きたとき、被災地の支援現場では、NGOなど直接支援にかかわる団体のスタッフのみならず、次のような悩みを感じた経験をした方々が少なくなかったのではないでしょうか。
ジャパン・プラットフォームが、熊本の被災者支援活動で得られた知見を共有し、今後の災害支援活動にいかしていくためにまとめた、「被災者支援のヒント集」から3つの取り組みをご紹介します。

災害はみんなを襲います。でもそのニーズはその人の特徴によって異なります。熊本地震でも、厳しい避難生活で命を落とす災害関連死が大きな問題となりました。そのほかに、健康を害した人、精神的につらい日々を過ごし、その後の生活に影響があった人もいます。多様な人のニーズに丁寧に対応していくことが、命と健康、そして尊厳を守り、被害の拡大を防ぐ近道です。
取り組み事例:「子どもたちの心のケアを、地域で担うために」
認定NPO法人世界の医療団(MdM)
親子カフェの様子 ©MdM
子どもたちに安全な遊び場を提供することで遊びを通じた日常生活への回帰を後押ししました。被災後に生じる子どもの変化に適切かつスムーズに対応できるよう、保護者や学校教諭向けに子どもの心の変化に応じた接し方、自らのストレスへの対処法の勉強会を開催しました。

支援のニーズは刻々と変わります。発災直後に足りなかったものが、数日後、支援物資として届けられたり、営業を再開した店舗で売られたりして、十分な量が手に入ることがあります。一方で、ニーズとして気づかれにくく、長期間にわたって不足するものもあります。適切なタイミングで、適切な支援を届けるためには、災害後に刻々と変わるニーズを前もって想定することはもちろん、災害後は信頼性の高い情報源に基づいてニーズを確認することが大切です。
取り組み事例:「ニーズを先読みしてパソコンを避難所に設置」
特定非営利活動法人BHNテレコム支援協議会(BHN)
避難所での活用の様子 ©JPF
避難所で過ごす方々が自由に利用できるパソコン、プリンター、Wi-Fi、インク、用紙等、ICT(情報通信技術)の設備を避難所内に開設しました。

外部から来た支援者は、地域について知らないことばかりです。一方で、被災者は「この支援はここではなく他の場所で必要とされている」「あそこには外国人の方がたくさん避難している」等、その地域でしか知り得ない情報をたくさんもっています。支援者は被災者の声を注意深く聞き取り、支援に対する意思決定への参画を促すことが大切です。そうすることで支援の質も高まり、被災者の力になります。
取り組み事例:「車という資源でコミュニティ形成の一助に」*
一般社団法人 日本カーシェアリング協会(JCSA)
声をかけ合いながら運営している住民の皆さん ©JCSA
被災により車を失った方々の移動手段を確保するため車を共有する「カーシェアリング」を宮城県石巻市で支援しました。ルールと役割分担は利用者が決めて運営することで助け合いが自発的に行われる地域になりました。
* この支援は「東日本大震災」の事例です
災害大国と言われる日本で生活する私たちにとって、地震や水害などの災害が、いざ自分の身の回りで起きた時にどう行動するべきかという問いは避けて通ることができない課題でもあります。
このヒント集は、これまでの支援活動から得られた知見を、被災者支援に取り組む全国の方々と共有し、今後の災害支援活動にいかしていきたいという思いから、被災地支援における留意事項をまとめたものです。
できる限り専門用語を避け、イラストや図を用いることで、一般の方にもわかりやすい構成としました。巻末には、熊本で支援に携わった方のインタビューをはじめ、専門家や支援関係者による提言、支援の際に役立つ資料のリンク集も掲載しています。
本冊子が、支援に関わる方々だけでなく、被災された方々にとっても、災害時だけでなく平時からふれていただけるものとなり、互いにより良い支援を考えるための一助となれば幸いです。
ジャパン・プラットフォームは、熊本地震を通じて得た経験がこれからのよりよい災害支援につながっていくことを願い、これからも、いま、本当に必要な支援を届けつづけていきます。

「被災者支援のヒント集」には、このほかにも現場で培われたさまざまな支援のヒントや事例が掲載されています。
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出典
※ 熊本県危機管理防災課, 平成28年熊本地震に関する被害状況について(2025年4月11日)