国際協力 NGO ジャパン・プラットフォーム(JPF)| Japan Platform

紛争や災害時の緊急・人道支援を行うNGO組織 ジャパン・プラットフォーム

地元の中間支援団体の発掘と立ち上げ事業

最新情報

2017.12.26
12月25日に中間報告会を開催しました
2017.4.7
プレスリリース「熊本の被災者・支援団体・行政等の“つなぎ役”を支援 ~地元団体KVOADが熊本で連携・調整、国内外で復興支援経験を持つJPFが審査・資金助成~

趣旨

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、熊本地震発生直後から被災者支援に携わってきました。昨年10月からの第2フェーズでは熊本が地域のチカラで復興できるよう「地域力強化」を支援方針に掲げ、施策の一つとして「地元の中間支援団体の発掘と立ち上げ事業」を行っています。

「地元の中間支援団体の発掘と立ち上げ事業」とは

JPFは、地元団体「くまもと災害ボランティア団体ネットワーク」(KVOAD)の協力を得て、被災市町村で被災者・支援団体・行政等を“つなぐ”活動をする団体(※赤枠)を発掘し、活動資金を助成しています。

事業のポイント

  • 15市町村( 熊本市、益城町、阿蘇市、南阿蘇村、西原村、大津町、嘉島町、御船町、甲佐町、美里町、山都町、宇城市、宇土市、菊陽町、氷川町)で“つなぎ役”(※赤枠)を発掘
  • “つなぎ役” を発掘するために、KVOADは、「被災地の情報収集、支援ニーズの把握」「支援事業の企画サポート」「連携促進団体と行政の調整、合同会議の開催支援」などの業務を担う。また、KVOADは、行政も参加する「県域熊本合同会議」(※緑枠)を主催する。
  • 「県域熊本合同会議」で審査・推薦された“つなぎ役”団体が申請する事業に対して、JPFは厳正な審査を行い、上限12団体に活動資金300万円(1団体上限)を助成をする。

団体同士を“つなぐ”必要性

熊本では2016年10月以降、被災者の方々は仮設住宅での生活を本格的に開始しました。これに伴い、新しいコミュニティでの自治会形成や高齢者の見守りといった異なる課題が出てきました。これに対応するため、熊本県で大きく被災した15市町村では、コミュニティ形成の促進、支援団体間における情報交換や連携の推進、行政と自治会による会合の開催といった取り組みが始まりました。
こうした取り組みをより一層機能させ、漏れやダブりのない支援を実現するために、取り組みを行う団体をまとめる“つなぎ役”が必要です。

現時点での助成対象団体(2019年6月時点)

みんなのボランティアステーション

みんなのボランティアステーション災害直後、避難所から応急仮設住宅への転居などで大きく生活環境が変わる際に支援を必要としていたように、2019年以降は、応急仮設住宅から災害公営住宅などへの転居が加速し、支援の必要性が出てきます。
震災後、ボランティア活動の窓口兼支援活動を担ってきた「みんなのボランティアステーション」は、2018年11月に益城町社会福祉協議会が設立した「復興ボランティアセンター」と協働で、地域ボランティアの発掘と育成することで、地域としての防災・減災意識の向上を目指します。

実施場所 益城町
期間 2019/5/1~2019/8/31
活動
  1. 益城町住民をサポートする、社会福祉協議会が立ち上げた「復興ボランティアセンター」と連携し、一般ボランティアでは対応できない主に引っ越し支援や片付け作業などのニーズに対応する。
  2. 復興期のボランティアが減る中、地域の中でボランティアを発掘し、長期的に地元で復興を担える人材を育成する。

特定非営利活動法人バルビー

特定非営利活動法人バルビー熊本では、被災地域における支援のための、様々な分野との連携が進んできましたが、3年を過ぎ、活動する団体や人は減少しています。仮暮らしを続ける人の現在のニーズに対応しつつ、仮設住宅から災害公営住宅等への移転時期のニーズに備えるため、熊本県内で活動する支援の動きを整理します。同時に、今後起きる災害時のニーズに対応できるように県域での連携体制の可能性を把握します。
また、支援に関わる団体同士の交流の場を設け、必要時の連携ができるようにしていきます。

実施場所 県域、熊本市、益城町、御船町
期間 2019/4/1~2019/9/1
活動
  1. 熊本県内で活動する支援団体の活動状況調査と、連携構築
  2. 支援者の災害に対するスキルアップのための研修など、人材の育成

カセスル熊本

カセスル熊本カセスル熊本は、熊本地震後に大津町の様々な職業の若手有志が集まって作られた復興支援ボランティア団体です。母体は震災前から行っていた 「まちづくり」 の有志です。
行政は復旧業務があり、機動的に動くのが難しい一方で、「支援したいが問い合わせ先が分からない」という外部からの声から、中間支援の窓口の必要性を感じ、設立に至りました。
「カセスル熊本」を知った個人・団体からの支援の申し出をコーディネートし、活動のなかで見えてくる”必要”に取り組んでいます。

実施場所 大津町
期間 2018/11/1~2019/8/31
活動
  1. 様々な立場の支援者が集まる情報共有会議(みんなで会議)
  2. 仮設団地入居者コミュニティ形成・生活支援
  3. 真の「復興」と「生活再建」の実現
  4. 被災の教訓を忘れないための防災への取り組み

一般社団法人 スタディライフ熊本

一般社団法人 スタディライフ熊本行政が開催する「みなし仮設入居者交流会」をサポートし、その後の支援団体主催の交流会を中心になってとりまとめています。各支援団体が参加することで、得意分野が見えてきます。このことで頼り頼られるポイントを理解し、協力体制が構築できるように取り組んでいます。

実施場所 熊本市
期間 2018/10/1~2019/8/31
活動
  1. 支援団体が集まる情報共有会議(ひごまる会議)、および専門分野のキーパーソンによる知識共有会議(サンダーバード会議)
  2. 支援者としてのスキルアップを図るための研修
  3. 会議体全体で取り組む、みなし仮設住宅住民への支援

カセスル熊本

実施場所 大津町
期間 2017/10/1~2018/9/30
活動
  1. みんなで会議
  2. 仮設団地入居者コミュニティ形成・生活支援子ども支援
  3. 集落復興ビジョン策定
  4. 復興公営住宅入居予定者のつながり創出
  5. 被災の教訓を生かす

益城だいすきプロジェクト・きままに

実施場所 益城町(テクノ仮設団地)
期間 2017/8/9~2018/9/30
活動
  1. 交流会・イベントの開催
  2. 相談会の開催
  3. 傾聴ボランティア
  4. 仮設住宅内見まわり
  5. 子ども会会議
  6. テクノ仮設団地自治会会議
  7. 益城町仮設団地自治会連合会
  8. 被災地への視察
  9. 勉強会

Project九州

実施場所 御船町
期間 2017/8/1~2018/7/31
活動
  1. 御船町災害支援団体ネットワーク会合
  2. 被災地への視察
  3. 被災地支援の専門家による講演

一般社団法人 スタディライフ熊本

実施場所 熊本市
期間 2017/7/1~2018/6/30
活動
  1. 今、必要な支援を共有する会議(ひごまる会議)
  2. 今と数年後を見据えて、地域を支援する会議(支援団体を育てる会議)
  3. 支援者としてのスキルアップを図るための総合研修
  4. 参加団体の活動に、会議体のメンバーがバックアップし、連携を強化する活動

特定非営利活動法人 九州バイオマスフォーラム

実施場所 阿蘇市・南阿蘇村
期間 2017/6/12~2018/3/31
活動
  1. 連絡会議の開催(災害支援団体・社協・阿蘇青年会議所)
  2. シンポジウムの開催
  3. イベントの開催
  4. 仮設住宅等の支援
  5. ボランティアツーリズム・震災ツーリズムの推進

特定非営利活動法人 くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD)とは

熊本県熊本市所在。産・官・学・民の連携を強化し、熊本地震の持続可能な復興と人材育成を目的として2017年3月に設立された。地震直後にスタートした行政・支援団体の情報交換の場「火の国会議」の事務局を担い、被災者、住民、地域のニーズの把握、支援活動のコーディネーション、人材・資金確保の研修、支援策の提言など情報共有・発信をしている。

“つなぐ”活動をけん引する団体による中間活動報告会

JPFとKVOADは2017年12月25日、“つなぐ”活動をけん引する団体による中間報告会を開催しました。4団体は、KVOADとJPF事務局に加え、県域熊本合同会議に参加して“つなぐ”団体の審査・推薦にも携わった行政職員、さらには取材メディアに対して、近況活動や今後の課題を報告しました。

日時 2017年12月25日(月)13:30~15:30
場所 熊本県総合福祉センター1F(KVOAD事務局会議スペース)
内容
  1. 事業進捗状況の概要報告(4団体:4地域)
  2. 今年度事業の課題と共有
  3. 次年度の実施方針
活動報告を行う団体と各団体のテーマ
  • ■九州バイオマスフォーラム(南阿蘇村)/連携体制の維持について
  • ■Project九州(御船町)/住民のニーズに基づいて必要な連携をとる方法
  • ■益城だいすきプロジェクト・きままに(益城町)/今後の仮設でのコミュニティ形成
  • ■カセスル熊本(大津町)/集落の復興ビジョンづくり
  • (助成5団体中1団体は欠席)
報告会の参加者 熊本市役所市民局 市民生活部 地域活動推進課 地域活動班、熊本市市民活動支援センター あいぽーと、JVOAD(全国災害ボランティア支援団体 ネットワーク)、KVOAD、JPF事務局

報告内容

九州バイオマスフォーラム(南阿蘇村)

もともと地域活性化と農業保全を目的に活動していた九州バイオマスフォーラムは、熊本地震を機に災害支援活動に専念しています。事務局長の中坊真さんは、複数の支援活動を報告してくださいましたが、その一つが農業ボランティアの方とのエピソードです。ボランティアの方には、単純に野菜を仕分けるという作業をしていただくのではなく、出荷できない規格外の農産品を持って帰っていただき、「こんなものが捨てられるんだ」と学んでもらう機会となるようめざしたそうです。また、被災者が孤立しないように心のケアを大事にしてきたといった心がけも話してくださいました。さらに語り部の育成もめざしており、すでに勉強会を何回か開催しているという取り組みも共有されました。

一方で、熊本地震では大きな橋が崩れたり、道に2メートルもの段差ができたりしましたが、九州バイオマスフォーラムは、こうした被害を観光に生かせないかと当初から考えていたそうです。阿蘇は観光地で、震災により観光客が来なくなってしまうことが被害の拡大をまねくと考えたからです。森林保全が災害防止になるため、森林の整備をする予定だそうです。また、阿蘇では「隣組」という考えが残っており、そのつながりが被害を抑えることができたと思うと話し、今後起こりうる災害に備えるためには横のつながりを維持することが必要で、「その横の櫛をとおすことがNPOの役割で、それが防災・減災につながると考えている」と中坊さんは力強く語りました。

Project九州(御船町)

Project九州は、15団体近くを取りまとめている団体で、月に1回、御船町で会合を開いています。また、仮設住宅にある『みんなの家』(集会所)ではイベントも頻繁に開催し、住民がまとまる支援を大事にしてきたと報告されました。報告者の吉村仁さんは支援の課題について、「支援のことを住民がほとんど知らない状況。今後は支援のことをもっともっと地域の方に知ってほしいと考えている」と述べました。具体的には、住民参加型のプログラムを検討していくと計画を共有してくれました。炊き出しをして「食べてください」ではなく、「住民と一緒に作って一緒に食べる」という具合です。また、住民の方々は「これがほしい」というニーズを口にすることを遠慮する傾向があるので、きちんと聞き取れる体制も作りたいと話しました。これに対して、他の地域で支援する人からは、住民の方が自立の一歩を踏み出せるような支援の在り方を検討することが大切といったアドバイスが出るなど、活発な意見交換が繰り広げられました。

カセスル熊本(大津町)

大津町は役場も被害を受けた町ですが、なかなか知られていません。そんな大津町で、まちづくりをめざして活動する団体であるカセスル熊本が、復興の先にあるまちづくりを視野に置いた支援を実施しています。特長は、団体のメンバーが若年層で構成されていること。そのため、フラットに話せることが強みだそうです。

カセスル熊本のこれまでの活動は、コミュニティ活性化をめざして仮設住宅でちょいのみ居酒屋をやったり、食育を絡めて復興カフェを開いてだご汁作ってふるまったり。こうした活動を通して、お客さんから要望や情報は入ってくるそうです。一方で、それらをなかなか形にすることができない状況であり、仮設住宅に暮らす方をもっと巻き込みながら活動をしていきたいという方向性が共有されました。

益城だいすきプロジェクト・きままに(益城町)

仮設住宅におけるコミュニティ形成をめざして、益城町にある18団体中14団体が月1回会議を開催しています。これまでに、夏祭り、運動会、秋祭り、自治会の視察研修(新潟)などのイベントを、すべて住民のニーズに基づいて実施してきました。例えば運動会では、子どもたちに「運動会したい?」と聞いて子どもたちから声を拾い上げ、自治会に提案して実施に至りました。こうしたイベントを行うことで、住民たちの距離が近くなり、イベントのたびに「あら、久しぶりね」と声を掛け合うなど、「明らかに変わっていっています。顔の見える関係ができてきていると実感しています」と吉村静代さんは報告しました。また、被災経験の先人が多数いる中越を視察した結果、熊本にも語り部が必要だという結論になり、神戸から人を呼んで語り部研修会の実施もしました。

こうした中での課題は、なかなか復興が目に見えずに不安がっている住民を行政とつなげることだそうです。自立できる人、復興住宅が完成するまで仮設住宅にいないといけない人など、個人がおかれた状況が異なってくる中で、どうコミュニケーションをとっていくかが重要となります。吉村さんは「仮設が集約されても、コミュニティはしっかり保っていただきたい。抽選ではなく、5人でも6人でも仲良しの仲間がいれば、一緒に移れるようにと伝えていきたい」と話しました。また復興支援に携わる人材育成についても力を入れたいと抱負を語りました。

他にも熊本市役所からも参加し、「NPOの力が行政の中でもまだまだ知られていない。伝えていきたい」とNPOや支援団体に期待する声が聞かれました。

“つなぐ”活動をけん引する団体による中間活動報告会

熊本の地図

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