難民が増え続けるキャンプに、誰もが安全に使えるトイレを

活動レポート

ピースウィンズ・ジャパン(PW)

難民が増え続けるキャンプに、誰もが安全に使えるトイレを

スーダン人道危機2023

演劇を通して身体的に不自由を抱える人びとの権利を訴える/ウェドウェイル難民居住地区/2024.12 ©ピースウィンズ・ジャパン

2023年4月にぼっ発したスーダン国軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)による武力衝突から2年が経過しました。難民として隣国南スーダンに52.5万人以上が逃れ、その数は南スーダンにおける国外からの難民の95%を占めます※1。さまざまな事情から南スーダン人も199万を超える人々が国内で避難生活を送っており※2、難民キャンプは収容可能人数を超過した状況が続いています。

さらに、高齢者や障がい者などサポートを必要とする人への支援は追いついていません。スーダンからの難民を多く受け入れるウェドウェイル難民居住地区では、スクワットの姿勢ができないなどの身体的理由や安全に使えるトイレの不足から屋外で排泄せざるを得ない状況が生じ、ジェンダーに基づく暴力(Gender-based Violence: GBV)やコレラなどの感染症流行の危険性がありました。

家庭訪問による啓発活動の実施/ウェドウェイル難民居住地区/2024.12 ©ピースウィンズ・ジャパン

ジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟NGOのピースウィンズ・ジャパン(PW)は、この地区で人々が安全にトイレを使えるようになること、および衛生環境の改善を目指して、2025年4月までに次のような活動を実施しました。

・お年寄りや障がい者が使いやすい家庭用トイレの建設・設置
覆われた空間(安全)でプライバシー(尊厳)が確保されたデザインの、水浴び用スペースを併設したトイレを設置。建設メンバーは、難民や地元の若者からも構成し、雇用の機会を生み出しました。

・清掃用具の配付
衛生環境を自ら維持管理できるように、トイレの建設と同時に清掃用具も配付しました。

・コミュニティへの啓発活動(家庭訪問、ラジオ放送など)
研修を受けたボランティアスタッフが家庭訪問を実施し、高齢者や障がい者の権利、衛生管理に関する知識などについて伝えました。
障がい者への差別・偏見やジェンダーに基づく暴力を予防し、誰もが安心して暮らせるコミュニティづくりが大切であること、衛生管理の重要性や感染症予防に関するトークショーをラジオで発信。また、これらに関する啓発メッセージを3言語(ディンカ語、現地アラビア語、英語)で録音し、繰り返し放送しました。

建設したトイレ・水浴び施設を家族で協力して清掃/ウェドウェイル難民居住地区/2025.04 ©ピースウィンズ・ジャパン

JPFとPWは、難民キャンプや難民居住地区で生活せざるをえない人々が、安全で尊厳が確保された状況で過ごせるよう、今後も支援を続けていきます。

※1 UNHCR, Operational Data Portal - South Sudan, 30 Apr 2025
※2 UNHCR, Operational Data Portal - South Sudan, 21 May 2025

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