子どもたちに、より良い学びと給食を届けるために

活動レポート

パルシック(PARCIC)

子どもたちに、より良い学びと給食を届けるために

ミャンマー人道危機支援

小さな子どもから10代の子どもまでが学んでいます/タイ・ターク県/2025年9月 ©パルシック

  • MLCの寮で暮らしている先生と生徒たち/タイ・ターク県/2025年9月 ©パルシック

  • 「ミンガラバー」(ビルマ語でこんにちは)と元気いっぱい挨拶してくれる子どもたち/タイ・ターク県/2025年9月 ©パルシック(机と椅子、教室の後ろに見える二段ベッドを支援しました)

  • お弁当のおかずは、みんなでわけっこがミャンマースタイル/タイ・ターク県/2025年9月 ©パルシック

  • MLCに寮の給食のための食料支援を行っています。前日に届けたナマズは、ウリと一緒にスープになりました。/タイ・ターク県/2025年9月 ©パルシック

2021年2月に起きた政変以降、ミャンマーの人道状況は年々深刻さを増しています。紛争に加え、度重なる自然災害や経済の急速な悪化により、多くの人々の生活が不安定になっています。紛争や災害から逃れるために推定360万人が国内外で避難を余儀なくされています※1

2024年にはこの動きがさらに加速し、国際移住機関(IOM)の分析では年間で約130万人がタイへ入国したとされ、前年より大きく増加しています※2

移民した子どもたちに教育を提供している移民学習センター(MLC)では、2023~2024年の児童数が前年より40%増加しました※3
この急増により、多くのMLCで教室や学習教材、教員が不足し、十分な教育の質を確保することが難しい状況です。さらに、授業料を払えない生徒であっても教育を受け続けてほしいという方針もあり、地域の寄付や支援団体の資金に頼って運営しているため、財政面の不安定さも課題となっています。

また、地理的アクセスや安全上の問題から居住地域からMLCに通うことができない子どもたちは、寮で生活をしながら教育を受けています。寮には、清潔なトイレがなかったり、宿舎の屋根や壁が破損していたりなど、施設の改善が必要なケースが多く見受けられます。

こうした状況を鑑み、パルシック(PARCIC)はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受け、2025年3月末から MLCでの子どもたちへの教育・食料支援を実施しています。

●教育:学習環境の整備、教員研修・報酬支援

支援開始から最初の3カ月で、校舎や寮の増築・修繕を新学期前の6月までに完了し、学習・生活環境が大きく改善できました。
備品の配付も概ね終了、教員への報酬支払いも予定通り6月分を実施し、7月の教員研修に向けた準備も進めることができました。

次の3カ月では、計画していた整備に加えて水浴び用の井戸周りに屋根や目隠しの取り付けを追加で行い、遅れていた机やベッドも順次納品されました。
教員研修は「子ども中心の教育・子どもの権利」と「タイ語教授法」を実施し、多くの教員が参加できました。研修を受ける機会が少ない中で「学びを子どもたちにいかしたい」という前向きな声が寄せられました。
また、MLCから教員不足に対応するため15名を増員したので彼らへも支援をしてほしいと要望があり、9月から報酬支援を開始しました。

2025年10月〜12月は、計画通りスクールバスの燃料代支援を含む備品支援を継続し、実施できています。
教員研修では「タイ語教授法」「子どもの保護・権利」「英語教授法」の3テーマを複数エリアで実施し、合計89名が参加しました。
報酬支援は、12月まで予定通り支払いを行いました。

●給食:食料の調達と配布

食料事情の改善に向け、給食用の食料の調達と配布を継続して実施しています。6月の第1回目の配布では、遠隔地のMLCへの運搬に苦労する場面もありましたが、教員や生徒の協力によりすべての食料を安全に届けることができました。
教員からは「生徒たちの給食の充実につながった」との声が届いています。

7月以降も、各MLCのニーズを確認しながら、それぞれの要望に合った食材と量を毎月配布することができています。

PARCICのスタッフが、9月に出張に行った時のレポートから

MLCで学ぶ子どもたちは、紛争や自然災害が続く中、家族との別離や生活の不安定さといった厳しい状況を抱えながらも、仲間と助け合い、明るく前向きに学び続けています。

授業や遊びに元気いっぱい取り組む姿や、寮での共同生活の中でお互いを支え合う日常、そして未来への希望をまっすぐに語る子どもたちからは、強い意志とたくましさが感じられます。

また、先生方自身もミャンマーから逃れてきた背景をもちながら、子どもたちにより良い教育と生活を提供しようと、深い愛情をもって日々向き合っています。
こうした大人たちの思いと、支え合うコミュニティの存在が、不十分な環境の中でも「学びたい」という子どもたちの気持ちを力強く支えている様子が伝わってきました。

参照:
タイ国境出張レポート:子どもたちの笑顔と元気な声があふれる移民学習センター(前編)| パルシック
タイ国境出張レポート:子どもたちの笑顔と元気な声があふれる移民学習センター(後編)| パルシック

JPFとPARCICは、子どもたちの笑顔を守るため、現地の人々の声に耳を傾け、ニーズを把握し、子どもたちや先生たちに寄り添った支援を引き続き行っていきます。


※1 OCHA, Myanmar - Humanitarian Update No.49, 23 September 2025

※2 IOM, Overview of Myanmar Nationals in Thailand, January 2025

※3 IOM, Thailand Migration Report 2024, 17 December 2024

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