中東危機対応支援2026(寄付受付中)
渋谷区立松濤中学校の3年生の皆さんは、引き続き国際理解のための探究を進めています。今回は、テーマごとに4つのグループに分かれ、生徒自身が自主的に学びを深める授業が行われました。ジャパン・プラットフォームと加盟NGOは、アドバイザーとしてお手伝いさせていただきました。

CWS Japanは、アジア地域における災害支援を中心に行うNGOです。これまでに、アフガニスタン、パキスタン、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、カンボジアで支援活動を展開しています。
こちらの教室では、さらに数人ずつのチームに分かれ、研究テーマに選んだ国について調べていました。生徒からは、「海外で支援活動をする際は、言葉はどうするのですか? 何語で現地の人と話すのですか?」など、具体的な質問がたくさん挙がりました。
インターネットで調べてもなかなか得ることのできない情報を、現場を知るNGOから得られる良い機会になったと思います。

現在、ピースウィンズ・ジャパンに所属されている片山さんは、外交官として40年以上の経験をお持ちです。ウクライナの隣に位置するモルドバ共和国では、大使を務められました。
2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まった際、たくさんの避難者が国境を越えてきた状況を目撃したこと、支援活動を行う国際機関やNGOの重要性、日本政府が支援した際の話など、貴重なご経験を共有いただきました。つらい現場を見ることもあったけれど、外務省での仕事ではさまざまな国で素敵な人々との出会いがあり、とても楽しかったそうです。
若い学生さんたちに向けて、「語学の勉強をぜひがんばってほしい。毎日続けるのが大事。もちろん苦しいけど、その先に努力の何倍も楽しいことがある」、とエールを送りました。
支援で大切なのは相手を知り、押し付けでなく誠意を持つこと(亀田さん)
紛争(民族・宗教などが原因の内戦)の人道支援をテーマにしたクラスでは、「支援で難しかったこと、大切にしてきたこと」「神さまは同じなのにどうして対立してしまうのか」といった質問が続々と挙がりました。アドバイザーは外務省での経験から、幅広い知識を持つ亀田さんです。
和平合意がなされたものの、その後白紙に戻ってしまった民族対立についての質問には、「過去の失敗を例に、何ができるか調べてみては」とアドバイスしました。
外国と比べることで日本社会が見えてきます。「世界を調べてどうして宗教が必要か考えるのもいいですし、相手の立場に立ってどういったことによって自分が安心するのか考えてみるのもいいでしょう」と提案しました。

経済格差の人道支援をテーマに選んだ生徒さんたちは、教育や健康(水不足)について調べています。支援活動において、地域の文化や慣習にあわせたアプローチが必要であることをお話しました。
たとえば、子どもを大事な働き手と考え、保護者が学校よりも仕事を優先させる場合、子どもが教育を受けることの重要性を伝え、考え方を変える働きかけをします。そして、子どもが働いた分をカバーするための支援や、学校で教育を受けるためのサポートをします。
一方で、教育を提供する側の確認も行います。学校の環境は整っているでしょうか、教員はきちんと教えるためのスキルがあるでしょうか。専門的な支援を実施していることをお伝えしました。
今回の授業は、各グループのリーダーが司会進行役を担う新しい試みでした。少し緊張感もありましたが、どの教室でも皆さんから多くの質問をしていただきました。
あっという間の1時間でしたが、自分が「今できること」「将来できること」は何かを考えるための、良いきっかけになったのではないでしょうか。
この後、生徒さんたちは各自で選んだテーマについて、さらに探究を進め、3月の卒業前に、研究発表をする予定だそうです。発表会が楽しみです。
渋谷区立松濤中学校は、渋谷区から「英語教育重点校」「国際理解教育推進校」に指定されている、グローバル人材育成に熱心な学校です。世界で活躍する人たちのお話を聞きたいと、お声掛けいただきました。
最初の打ち合わせに伺ったのは7月。新校舎への建て替え工事が始まる直前の引っ越し作業中のことでした。たくさんの思い出が詰まった校舎は3年後に新しくなるそうです。
秋休みが明けて11月、仮設校舎(青山キャンパス)の体育館にて、3年生の皆さんに「国際理解」の出前授業を開催いたしました。講師は、国際連合で30年以上活躍された経験を持つ、忍足謙朗(おしだりけんろう)さんです。1989年からは国連世界食糧計画(World Food Programme: WFP)に勤め、特に紛争地、自然災害地などで緊急食糧支援を行われました。
講演の2日前には、忍足さんの国連での活動を追ったドキュメンタリー番組を体育館で視聴しました。生徒の皆さんは、人道支援の現場の映像に引き込まれていました。
11月17日 視聴会の様子
11月19日の講演会当日は、皆で輪になって忍足さんの話を聞きました。初めて見る国連のパスポートに興味津々です。

忍足さんは、世界で十分に食事が摂れない人がたくさんいる現状や、WFPにおいて行ってきた緊急支援活動や長年の海外生活、またそこから得た考えなどについて、わかりやすく説明してくださいました。
「世界はそんなに広くないし、つながっている。でも不公平」
「地球上に食料が足りていないわけではないのに、毎日おなかがすいている人が多くいる」

飢餓の原因は、貧困、自然災害、紛争など。命にかかわる緊急時に支援を届ける重要性や、効果的に活動を行うために国連機関とNGOが連携するお話もありました。

後半の質問タイムでは、たくさんの手が挙がり、時間が足りなくなるほどでした。
国連機関とNGOの性質の違いなどについて質問をされる生徒さんもいて、松濤中学校の皆さんのレベルの高さに驚かされました。頼もしい未来のリーダーたちに期待が膨らみます。
今後は、年明けにジャパン・プラットフォーム加盟NGOによる講演などを予定しています。
松濤中学校の皆さまに、またお会いできることを楽しみにしています。
今、知って欲しいJPF最新のお知らせ