12/17(水)【緊急開催】アジア広域水害被災者支援2025 プログラム説明会
ジャパン・プラットフォーム(JPF)
ピースウィンズ・ジャパン珠洲事務所の受付の様子/石川県珠洲市/2025.10.21 ©JPF
ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、能登半島で発生した地震および豪雨被害に対し、現地で築いてきたネットワークと加盟NGOの多様な専門性をいかしながら、現在も支援を継続しています。
地震からまもなく2年、豪雨から約1年が経過したタイミングで、現地の状況と今後の課題をお伝えするため、JPFスタッフは2025年10月21日に珠洲市を訪問しました。
2024年1月1日に発生した震度7の地震を受け、JPFは当日中に加盟NGOであるピースウィンズ・ジャパンによる初動調査を決定し、支援活動を開始しました。
その後、活動拠点を移動させながら継続的に支援を行い、現在は珠洲市内の旧葬祭施設を拠点として、中長期的な復興支援が進められています。
今回の訪問では、現地で支援を担うピースウィンズ・ジャパン国内事業部次長/珠洲事務所事業統括の橋本笙子さんから、支援の現状や、地域で見えてきた課題などについてお話を伺いました。
ピースウィンズ・ジャパンが珠洲市で実施している主な取り組みとして、まず、被災者の健康維持支援があります。
仮設住宅の集会所や公民館ではささえ愛センターや珠洲市総合病院と連携し健康相談会を実施し、ピースウィンズ・ジャパンの看護師が個別訪問を通じて健康相談などを行い、地域に寄り添う支援を日常的に提供しています。
また、コミュニティの再構築を目的とした取り組みも進めています。
集会所や公民館でのお茶会や学生ボランティアとの交流会、住宅再建に関する説明会など、住民が集い、話し合い、学び合う場を設けることで、地域に暮らす人々がつながりを取り戻し、生活再建に向けた一歩を踏み出せるよう支援をしています。
こうした継続的な支援の中で、地域に密着しているからこそ見えてくる課題もあります。
水道の本管通水されたものの宅内配管に課題のある家があること、修繕にかなりの費用がかかるけれど、罹災(りさい)判定が半壊未満のため公的支援が限られているため住宅再建の目途がたたないなど、生活基盤の再建には依然として時間を要しています。
さらに、珠洲にもともと根付く「助け合いの文化」の中で豊かな里山里海の恵みを分けあってきていたのが、震災によってコミュニティが分断され、地域にひずみを生じさせている現実もあります。
加えて、地域内に閉じがちな経済活動、定住人口が見込めないこと、地域外からの交流人口を受け入れるための施設整備の不足など、震災前からの課題が、今なお浮き彫りになっています。
珠洲市において、行政・民間・NGOの連携は比較的円滑に進んでいるのは評価すべき点です。
しかし、「本当の意味での復興」には、住民一人ひとりの生活再建が確かな形となるまでの時間と継続的な支援が必要です。
今後は、復興復旧フェーズの移行に合わせた支援内容の見直しや、地域へのスムーズな引き継ぎ、そして取り残される人をつくらない包括的な支援体制の維持が大きな課題となってきます。
![]() 地域集会所での健康相談/石川県珠洲市 ©ピースウィンズ・ジャパン |
![]() バスでの健康相談会/石川県珠洲市 ©ピースウィンズ・ジャパン |
![]() 仮設集会所での編み物/石川県珠洲市 ©ピースウィンズ・ジャパン |
![]() 仮設集会所でのお茶会/石川県珠洲市 ©ピースウィンズ・ジャパン |
ピースウィンズ・ジャパンとJPFは、これからも地域に根ざした支援を継続しながら、中長期的な視点を持って、変わりゆくニーズに寄り添い、住民に寄り添う形で復興支援を続けていきます。
![]() ピースウィンズ・ジャパンの橋本さんに現況を伺うJPFスタッフ/石川県珠洲市/2025.10.21 ©JPF |
![]() ピースウィンズ・ジャパンのスタッフとJPFスタッフ/石川県珠洲市/2025.10.21 ©JPF |
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