今何が起きているの?
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「ガザ飢きん緊急支援」炊き出し支援を受ける子どもたち/ガザ中部ディールアルバラフ/2025.12.9©CCP
6月20日は「世界難民の日」(World Refugee Day)です。
紛争や迫害、自然災害によって故郷を追われた人々に思いを寄せ、国際社会が連帯を示す日として、国連が定めました。
現在、世界で強制的に移動を強いられている人は1億1,780万人※1にものぼります。
70人に1人が家や故郷を追われている今、難民の問題は、遠い国の出来事ではなく、「誰にでも起こりえる」現実なのです。
この記事では、世界の難民の現状や課題、そして私たちにできることについて考えます。
難民と聞くと、「遠い国の話」と感じるかもしれません。
しかし、紛争や災害によって日常が奪われる状況は、決して他人事ではありません。
避難を余儀なくされた人々も、もともとは私たちと同じように家族や仕事を持ち、日常を送っていました。
しかし、ある日突然、その生活は失われてしまいます。
いま住んでいる場所から移動を強いられるということは、「誰にでも起こりうること」という視点でとらえてみることが大切なのです。
2025年末、世界の難民数は9年ぶりに減少しました。
しかし、残念ながらこの「減少」は、状況の改善を意味しているわけではなく、
実際には、次のような人々が増えたことが要因のひとつだといわれています。
つまり、数字の減少の裏には、依然として続く人道危機があります。

出典:UNHCR, 数字で見る難民情勢(2025年) | UNHCR 日本
これらの数字を見て、どんなことを感じたでしょうか。
見えてくるのは、難民問題が長期化し、特定地域に集中するということです。
日々、テレビやインターネットのニュースで報道されるウクライナやガザ、そして中東危機など、近年紛争はますます長期化・複雑化しています。
また、気候変動による干ばつや洪水、大地震が頻発していることもご存知のとおりです。
同時に、経済不安や食料危機など、複合的な問題が絡み合っています。
難民の方々への支援も、それぞれの置かれた状況によってさまざまなニーズがあります。
人々の主体性を大切に、その文化や背景を理解し、声を聞き、きめ細やかに応えることが求められています。
このような状況をうけて、ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、住む場所を追われた人々に対して、多岐にわたる分野で支援を届けています。
前述の<データから見る実態>でみてきた国や地域でも数多くの活動を実施中です。
ガザ地区では、長年武力衝突が繰り返されてきました。
とくに、2023年10月以降の衝突激化で、ガザ全土は、命を守るあらゆる手段が困難な状況に陥りました。
2025年8月には、国連が、中東地域ではじめてガザ地区の「飢きん」を発表しました※2。
JPFは、2009年からガザで支援を実施し、特に障がい者世帯や子どもなど弱い立場におかれた人々に支援を届け続けています。
ガザ人道危機対応支援/ガザ飢きん緊急支援「ガザ支援で私たちができること」をみる

物資配布を受け取る女性/ガザ地区中部ディールエルバラフ/2025.12.4©CCP
40年以上続く紛争の影響、経済停滞や干ばつ・洪水などの自然災害により、人道状況は依然として深刻です。
暫定政権下では女性やマイノリティの権利が大きく制限され、2025年には周辺国からの帰還民も急増しました※3。
また度重なる干ばつや地震などの自然災害がかさなり、困難な立場におかれた人々は増え続けています。
ジャパン・プラットフォームは、人々を主体とした対応で信頼関係を構築しながら、20年以上アフガニスタン支援を続けています。
『支援がもたらした6歳の女の子の笑顔』 レポートを読む

支援物資の入ったバッグを前に笑顔を見せるアスマちゃん/アフガニスタン・クナール県/2025.11 ©SVA
スーダンはもともと近隣国の混乱を逃れて避難してきた人々が多い地域でした。
2023年4月のスーダン国軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)の武力衝突によって、人道状況が壊滅的に悪化しました。
約1,400万人が避難民となり、2,100万人が深刻な食料不安に直面し※4、性暴力などの人権侵害も拡大しています。
また、チャド、南スーダン、エジプト、エチオピア、中央アフリカなどに多くの人々が避難し、影響が広がっています。
JPFは、まず人命にかかわる支援、保護を優先し、女性や子供、障がい者などの弱い立場におかれやすい人々が支援から取り残されることのないようにジェンダーや多様性を意識した支援事業を行っています。
『難民が増え続けるキャンプに、誰もが安全に使えるトイレを』 レポートを読む

建設したトイレ・水浴び施設を家族で協力して清掃/ウェドウェイル難民居住地区/2025.04 ©ピースウィンズ・ジャパン
2024年12月にアサド政権が崩壊した後も、14年以上続いた紛争で荒廃した社会基盤、各地での衝突、気候変動の影響による干ばつなど、依然として人口の70%が支援を必要としています※5。
2011年からシリアと周辺国で支援を続けているジャパン・プラットフォーム(JPF)は、女性、子ども、障がい者など特にぜい弱層の保護、農業や教育、就業訓練を通じた生活再建と自立を促す支援などに重点的に取り組んでいます。
『政権崩壊後のシリアで食料・物資を配付「支援物資を見て、子どもたちは満面の笑みを浮かべました」』 レポートを読む

食料セット、衛生用品の配付/アレッポ県/2025.05
2022年2月に始まった軍事侵攻により、ウクライナでは、住居や学校、病院、エネルギー施設などのインフラの破壊や長期化する避難生活によって、地域社会全体が大きな被害を受けています。
特に長期化する避難生活で、弱い立場におかれた人に対する保護や心理社会的ケア、避難所の生活環境の改善など、多面的な支援ニーズに応えて、JPFは支援を続けています。
『4年目に突入する人道危機。長引く避難生活と日本からの支援』 レポートを読む

避難所に住む高齢者へのNFI配布登録/ドニプロ市避難所/2025.12 ©ピースウィンズ・ジャパン
ミャンマーでは2021年の政変以降、武力衝突や政治・経済の混乱が続いています。
さらに地震やサイクロンなどの自然災害の影響も重なり、人道危機が深刻化しています。
ジャパン・プラットフォームは、ミャンマーとタイにおいて、まず、弱い立場におかれた人々の命を守り、中・長期的な視点から、避難民の生活再建と自立の促進をめざして活動をつづけています。
『ミャンマー中部地震から1年 ご支援くださった皆さまへ』 レポートを読む

支援チームのスタッフ(右)の聞き取り調査に答えるダーインインさん(左)/2026.03(加盟NGO提供)
この記事を最後まで読んでくださって、また、難民問題に関心を持っていただきありがとうございました。
もしかしたら、難民支援の課題は、NGOなど専門の団体が取り組むもので、個人では何もできないと感じている人もいるかもしれません。
しかし、小さな行動が確実に支援につながります。
わたしたちは、まずは「関心を持つこと」「知ること」が第一歩だと考えています。
難民の方々は、たまたま生まれた国や置かれた状況が異なるだけで、一人ひとりに私たちと同じように家族や友人がいて、安心して過ごせる家をもとめ、将来の夢を持っています。
見えにくい現実に目を向け、私たちに何ができるか、ともに考えていきましょう。
出典
※1 UNHCR, Global Trends Report , 11 June, 2026
※2 世界食料計画(WFP), ガザで初めて飢きんを確認, 2025.08.22
※3 UN, Report – Afghanistan’s human rights situation “continues to deteriorate dramatically”, 2026.03.30
※4 UN News, Sudan: 14 million displaced; hunger and attacks on health continue as war enters fourth year,
※5 OCHA, Syrian Arab Republic